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信州の病院〈48〉 丸子中央病院 上田市中丸子

(2014年9月2日) 【中日新聞】【朝刊】【長野】 この記事を印刷する

救命率アップへ一丸

画像人形を使ってAEDの使い方を教える看護師ら=上田市の丸子中央病院で

 脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病から、ハチ刺されや水虫まで、あらゆる症状の患者に、4月に新設した救急・総合診療科の医師が対応している。最後まで処置できる症状か、救命措置をして大病院へ搬送しなくてはいけないのかを的確に見極め、地域の救命率アップにつなげようとしている。

 厚生労働省の2012年の調査によると、同院がある地域は、人口10万人当たりの医師の数が150.5人。県内平均より60人近くも少なく、医師不足の地域の一つだ。

 信州大付属病院(松本市)で長く救命救急の現場に立ち、本年度から同院救急・総合診療科に関わる岡元和文医師(65)は「医師不足が深刻な場所だからこそ、意義はある」と語る。

 人材不足に加えて、医師の専門の偏在化もみられる。一つの病院にはさまざまな患者が訪れるため、全身を診察できる医師が必要だという。

 同科は、内科や整形外科といった専門の垣根を越え、6人でチームをつくる。得意分野だけを診るわけではないので、岡元医師を中心に症例や治療法について議論を重ねている。「オレ流では駄目。より安全性が確立された世界標準の治療を行うため」と議論の意義を説明する。

 救命率アップのために病院外の取り組みも強化している。専門知識を持つ看護師らが、定期的に地域住民へ自動体外式除細動器(AED)の使い方を広めている。心停止した人の救命率は1分経過するごとに10%ずつ下るとされるが、県内では、救急車の到着に平均でおよそ8、9分かかる。到着を待っていては救命できないと、院外の“人材”をも活用する方策だ。

 救急に力を入れているが、同院だけで治療が完結できるレベルを目指してはいない。岡元医師は「重篤な患者でも適切な救命措置をした後に大病院に運べば、直接運ぶより助かる率は格段に上がる。医師不足の地域ならではのやり方を確立し、全国のモデルになっていきたい」と展望を語った。(酒井博章)

住民の負担を軽く

 勝山努院長の話 専門医が近くにおらず、遠くの医療機関まで通っている住民の負担を軽くしていきたい。困って病院へ駆け込んで来る人に手を差し伸べられるよう、医療環境を今後も整えていきたい。

 丸子中央病院 ▽沿革 1959年開設▽病床数 297床▽診療科 循環器内科、救急・総合診療科など計24科▽常勤医 27人▽上田市中丸子1771の1▽しなの鉄道大屋駅から車で約10分▽電話0268(42)1111

画像丸子中央病院

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