つなごう医療 中日メディカルサイト

治療も研究も「日本一」を 名古屋大医学部 高橋義行さん

医人伝

(2014年9月30日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

臨床研究に情熱を注ぐ 小児科准教授 高橋義行さん(47)

画像小児がんの治療と研究に情熱を注ぐ高橋義行(たかはし・よしゆき)さん

 朝の回診は7時すぎから始める日が多い。その後は外来開始までの時間を利用し、医師全員で論文などを読む勉強会。

 名古屋大病院小児科は昨年2月、小児がん拠点病院に選ばれた。審査の総合得点は全国1位。血液・がん分野だけで常時50人以上が入院するようになり、忙しさに拍車がかかる中、チームをまとめる高橋義行さんのモットーは「臨床も研究も日本一」だ。

 小児がんの治療成績は年々向上しているが、同病院に来る子の多くは、他の病院では太刀打ちできない症例。命を救うため臨床研究に情熱を注ぐ。難治性の神経芽腫で「助かる見込みは数%」だった少女は、ナチュラルキラー細胞を活性化させる特殊な臍帯血(さいたいけつ)移植で全快し、元気に学校に通う。

 この治療法の開発により、神経芽腫の国際学会で5月に優秀賞を受賞した。「看護師らスタッフのおかげ」と感謝する。今後も医師主導治験を進めるなど、基礎研究の成果を臨床で生かすチームづくりを目指す。

 しかし、救えない命もある。7年前には、病棟の多職種のスタッフが定期的に思いを伝え合う場をつくった。治療の難しい子や家族の状況を話し合うことで、終末期ケアの質も高まった。昨年3月、17歳で亡くなった男の子は余命の告知を受けて、終末期の過ごし方を自分で選択。家族、友人、スタッフに感謝のメールを残した。

 高橋さんは名古屋市生まれ。父の転勤で各地を転々とした。名大医学部在学中に父をがんで亡くし、がんの治療と研究に貢献したいと考えるようになった。成人より小児科の血液分野に魅力を感じ、研修先を探す中、名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区)に「臨床も研究も超一流」と評判の医師がいると知り、志願した。その医師が、今の直属の上司・小島勢二教授だ。

 「当時、小児科副部長で昼間は患者さんへの治療、夕方から夜にかけては治療法の研究や論文。その姿に感銘を受けました」

 家には9歳の長男と8歳の双子の長女、次男がいる。休みの日もしばしば呼び出され、わが子と接する時間は乏しい。でも、頑張って闘病する子たちの姿を伝えるようにしている。長女は最近、「お父さんのような小児科医になりたい」と将来の夢を語るようになった。(編集委員・安藤明夫)
名古屋大医学部(名古屋市昭和区)

同じ連載記事
症状でなく、人生を診る 医王ケ丘病院 岡宏さん (2017年12月12日)
子の虐待死事例データ化 小児科医 沼口敦さん (2017年11月28日)
子どもの遺伝病を研究 浜松医科大 緒方勤さん (2017年11月21日)
記者から奮起、医の道へ 一宮むすび心療内科 小出将則さん (2017年11月14日)
満足いく生涯を手助け 丹生川診療所 土川権三郎さん (2017年11月7日)
同じジャンルの最新ニュース
小児がんなど治療→予防接種の抗体失う 再接種費用 助成して (2017年10月24日)
小児がん専門科新設へ 名古屋市 西部医療センターに (2017年6月27日)
小児がん克服 熱い思い 「基金」1年 催しで若者ら語る (2017年6月13日)
治療・研究もっと支援を (2017年5月30日)
オプジーボを小児がん治験 国立センター (2017年5月11日)

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人