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信州の病院〈50〉 休日夜間急患診療所 飯田市東中央通り

(2014年11月18日) 【中日新聞】【朝刊】【長野】 この記事を印刷する

安全確保へ医師協力

画像休日夜間急患診療所の当番の日に患者のカルテに目を通す中塚龍也医師=飯田市東中央通りの市休日夜間急患診療所で

 ある平日の午後7時。飯田市東中央通りの休日夜間急患診療所には、マスク姿の男性や、だるそうな表情の男の子などが次々と訪れた。

 診療所は飯伊地区包括医療協議会が運営しており、1年を通じて、平日の午後7時〜10時半、休日の午前9時〜午後5時まで開設。飯田下伊那地域の開業医ら47人が当番制で1次医療を担っている。

 2次医療は飯伊地域の八つの大規模病院が輪番制を組み、対応。さらに重篤な患者がいれば、当番になっていない病院が受け入れる仕組みになっている。

 包括医療協議会の蟹江孝之会長は「症状の重さで対応する病院が決まっており、いかなる時も受け入れられる。だから、救急車のたらい回しなどが起こらない」と胸を張る。

 飯伊地域では1960年代から当時の飯田市医師会、飯田下伊那医師会が、それぞれ当番制の休日診療をスタートさせた。それまでは休日夜間の急患の受け入れ態勢が十分ではなかったうえ、開業医がそれぞれ対応しており、医師の負担も大きかった。

 その後、飯伊地域の医師会や行政などでつくる飯伊地区包括医療協議会が発足し、休日夜間の診療を1本化。95年にはより重篤な患者に対応する2次、3次医療を大規模病院が担う現在の仕組みを構築した。

 当時は全国的にも珍しい取り組みで、注目された。包括医療協議会は2007年には地域救急医療体制を確立したとして厚生労働大臣表彰、08年には地域医療の推進体制を担う先駆的な組織として保健医療などの分野で顕著な実績を残した団体に贈られる保健文化賞を受賞した。

 地域の救急医療の中で最も身近な休日夜間急患診療所は13年度に約6千人が利用した。当番医として診療に当たる松川町の中塚内科循環器科医院の中塚龍也医師は「地域の救急医療に飯伊地域の医師が協力し合っている。住民の安全安心に貢献できていると思う」と話す。

 広大な面積を有し、中山間地も多い飯伊地域のすみずみにまで医療機関は整っていない。しかし、この地域のすべての医師、病院がスクラムを組んで、住民が安心して暮らせる医療体制を守り続けている。(西川正志)

迅速に患者を搬送

 蟹江孝之会長の話 地域医療を支えるために先人たちが今の救急医療体制を築き上げた。事故発生後に救急隊が受け入れ病院を探す必要もなく、搬送を迅速にできるのも大きな特徴だ。

 飯田市休日夜間急患診療所 ▽沿革 1995年開設▽診療科 内科・小児科▽医師1人、看護師1人、薬剤師1人▽飯田市東中央通り5の96▽JR飯田駅から車で約5分▽電話0265(23)3636

画像飯田市休日夜間急患診療所

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