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愛知の病院〈136〉 名古屋市立大病院 名古屋市瑞穂区

(2014年12月13日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

緩和ケア心に手厚く

画像打ち合わせをする緩和ケア部の医師ら=名古屋市瑞穂区の名古屋市立大病院で

 がん治療の影響で食事が喉を通らない男性(73)のおなかに、消化器外科医の坂本宣弘さん(40)が手を伸ばす。「大丈夫、ゆっくりとね」と優しく語りかけた。

 坂本さんの所属は緩和ケア部。主に末期のがん患者らの痛みや不安を和らげる役割を担う。2007年施行のがん対策基本法で地域がん診療連携拠点病院に設置が求められ、数年で急速に広がった。

 名古屋市立大学病院では、坂本さんが身体症状を担当するほかは、5人が精神科医。臨床心理士も1人専従し、緩和ケア部長の明智龍男教授(50)は「心理面のサポート体制は、全国でも飛び抜けて充実している」と自負する。

 精神科医として長年、緩和ケアに取り組んできた明智教授は「末期がん患者の半数くらいは、幻覚などの意識障害や不眠、うつなどの症状が出る。つらい思いをしている家族のサポートも大切な役割」と話す。

 07年に発足した緩和ケアチームは、09年に緩和ケア部に昇格し、体制を拡大してきた。約100人の入院患者に加え、外来で他病院から訪れる患者に、看護師を含め14人のスタッフで対応する。

 12年に放射線診断や治療、化学療法などを担う喜谷記念がん治療センターを開設。陽子線治療ができる名古屋市西部医療センターなど市立病院と連携し、総合的ながん治療を目指してきた。

 一方、1950年代に大学病院で初めて新生児集中治療室(NICU)を整備するなど、周産期医療の充実ぶりでも名がとどろく。

 流産を繰り返す不育症の治療と研究の歴史と実績は全国トップレベル。杉浦真弓教授(53)は「不育症はあまり知られておらず、不要な治療をする医師もいる」と話し、医療の底上げにも力を注ぐ。

 専用相談電話「豆柴ダイヤル」を開設して悩みを抱える人たちを支えるほか、血液検査で胎児異常を調べる新出生前診断や治療施設の少ない男性の不妊治療も担う。城卓志病院長が「不採算。だけどやる」と語る通り、公立大学病院の使命と向き合い続けている。(中崎裕)

総合的な治療提供

 城卓志病院長の話 多くの大学病院と違い、名称に「付属」とつかないことは、より市民に近い存在でありたいという意味があると思っている。市立病院や福祉部局とも連携しており、病院として総合的な治療を提供している。総合大学としても、薬学部だけでなく、経済や芸術工学、人文社会など各学部との関わりも深め、企業と最先端の医療機器開発にも取り組んでいく。

 名古屋市立大学病院 ▽1931(昭和6)年、名古屋市民病院として創設▽808床▽診療科 26科▽常勤医206人、非常勤医203人▽名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1。市営地下鉄桜通線「桜山駅」下車すぐ▽052(851)5511

画像名古屋市立大学病院

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