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グリーンネイル ご注意

(2015年1月5日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

緑膿菌で変色 健康に影響なし 感染もなし

画像(左)カビが繁殖したグリーンネイル(右)ネイリストが過度に削ったため、ぼろぼろになった爪=いずれも「神楽坂肌と爪のクリニック」提供

 おしゃれなネイルアートを外してみると、爪が緑色に−。こんな「グリーンネイル」に悩む女性が増えている。原因は緑膿(りょくのう)菌の繁殖。つまりカビだ。変色以外の健康上の害はないというが、ちょっとびっくりする。専門家は正しい知識の取得を呼び掛ける。 (沢田千秋)

 「グリーンネイルをほっておくと、最後は爪がはがれる」「ネイルの器具を経由してほかの指にうつる」。ネットでグリーンネイルを検索すると、変色した爪の画像とともに、おどろおどろしい文句が並ぶ。これらはすべて間違いだ。

画像「グリーンネイルの相談は増加傾向にある」と話す野田弘二郎院長=東京都新宿区で

 「緑膿菌は爪の色を緑に変えるだけで爪を侵食したりしない。皮膚の上に日常的に存在する菌で、水で洗えば落とせる。ほかの指にうつることもない」。「神楽坂 肌と爪のクリニック」の野田弘二郎院長はそう話す。

 爪が剝がれたり、ほかの爪に感染したりするのは、白癬(はくせん)菌が原因のいわゆる水虫の症状だ。グリーンネイルと爪水虫の混同について、野田院長は「わざと不安をあおっている可能性もある」と指摘する。確かに、サイトを読み進めると、「うちのサロンに相談を」とか「この薬が効く」などの宣伝文句にたどり着く。

 クリニックでは、ジェルネイルの普及とともに、グリーンネイルの相談も増えている。ジェルネイルとは、ジェル状の樹脂をUVライトで固めるネイルアート。マニキュアより長持ちするが、施術から3〜4週間で、ジェルが浮いてしまい隙間から水分が入り込む。日常環境では害がない緑膿菌も、狭くて蒸れた場所では増殖力を発揮。放置すると、菌が増殖し爪の表面を緑に変える。

 対処法は「2週間はジェルもマニキュアもせず普通に生活すること」(野田院長)。緑色は緑膿菌の増殖の跡。隙間をなくして乾燥させれば、菌自体はいなくなる。野田院長は「免疫力が落ちている重病者や高齢者は感染の危険があるが、普通の人がちょっと疲れているぐらいでは関係ない」と話す。

 注意すべきは、ネイルサロン選びだ。

 野田院長によると、ある女性は初めてネイルサロンを利用。ネイリストの「ジェルは1週間ごとの付け替えが普通」という言葉を信じて通い詰めた結果、頻繁な施術によって爪が薄くなり痛みで物がつかめなくなったという。また、別の患者はグリーンネイル状態の爪をネイリストに削られて、爪に穴が開いてしまったという。

 ある女性ネイリスト(31)は「グリーンネイルを削った器具は感染予防のため捨てていた。感染しないの?」と話した。

 日本には巻き爪の治療に対応する医療機関は多くあるが、グリーンネイルの診療はまだ普及していないという。野田院長は、「ジェルネイルさえ知らない医師もまだ多い。うちのクリニックには、北海道や九州から来たり、5〜6カ所の医院を回ったという患者も来る。ネイルのトラブルで困っている人は多いのに、提供できる医療サービスはあまりに乏しい」と語る。

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