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信州の病院〈51〉 信州大病院耳鼻いんこう科 松本市

(2015年1月27日) 【中日新聞】【朝刊】【長野】 この記事を印刷する

難聴治療 国内リード

画像難聴患者の診療にあたる宇佐美真一科長(右)=松本市旭の信州大病院耳鼻いんこう科で

 「耳の調子はどうですか。手術頑張りましょうね」。宇佐美真一科長は、難聴の手術を控えた三重県在住の女性患者の耳元で優しく声を掛けてから診療に入った。

 全国のかかりつけ医からの信頼は厚く、「全国一の治療をしてくれると聞いて入院を決めた」と女性患者。耳鼻いんこう科では、難聴や中耳炎、鼻では副鼻腔(びくう)炎や腫瘍、のどでは口蓋扁桃(こうがいへんとう)や咽喉頭腫瘍などの治療にあたっている。

 特に難聴といった耳の治療では国内をリードする。1000人の赤ちゃんに1人の割合でみられる「先天性難聴」の遺伝子診断では、全国の大学病院など80施設と連携し、遺伝子解析を進めて日本人に起きる頻度の高い遺伝子変異を突き止めた。

 言葉の発達では、乳幼児期にどれだけの言葉を正確に聞き取れるかで発達度合いが異なるとされ、難聴は早期の発見と、早い段階で治療を開始することが重要。遺伝子診断によってそれが可能になった。

 治療だけではない。2006年には全国初のリハビリ施設「人工内耳センター」を院内に開設した。「全国に広がった新生児聴覚検査による早期発見、適切な診断と治療、その後のリハビリまで一貫した仕組みを整えた」と宇佐美科長は語る。

 超高齢社会の到来を見据えた対応もしている。低音を聞き取る力が残っている人に有効な「残存聴力活用型人工内耳」(EAS)の埋め込み手術を全国に先駆けて08年に開始。昨夏には保険適用になり、全国十数万人の重度難聴者も手術を受けやすくなった。

 老人性難聴などになる人の増加が予測されるため、人工内耳の適応者の幅が広がった成果は大きい。

 宇佐美科長は言う。「既存の医療をやるだけでなく、患者のために新しい医療を普遍化させていく義務がある」。患者に寄り添った姿勢が最先端の診断と治療を進める原動力になっている。(成田嵩憲)

最高の医療を提供

 宇佐美真一科長の話 最高の医療を提供するのが私たち信州大病院の使命。耳、鼻、のどなどの病気に対し、最高の治療が提供できるように態勢を整えている。難聴治療などで日本の最先端を走り続け、高度な医療を発展させていきたい。

 信州大病院耳鼻いんこう科 ▽沿革 信州大医学部付属病院の前身が設立された1945年開設▽態勢 常勤医師15人、非常勤医師8人、言語聴覚士4人、臨床検査技師1人、外来看護師4人など▽病床数32床▽松本市旭3の1の1▽アルピコ交通バス停「信大病院玄関前」から徒歩1分▽電話0263(37)2791=外来

画像信州大病院耳鼻いんこう科

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