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iPSから心筋細胞作製 不要な細胞 素早く正確に選別

(2015年5月22日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

京大が手法開発

 体内のさまざまな細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋細胞をつくる際、マイクロRNAと呼ばれる物質を制御することで、不要な細胞をこれまでより素早く正確に取り除く技術を、京都大iPS細胞研究所の斉藤博英教授(生命工学)らのグループが開発した。純度の高い細胞は移植に不可欠で、より安全な再生医療が可能になるという。成果は22日、米科学誌電子版に掲載される。

 iPS細胞からさまざまな細胞をつくる際、目的以外の細胞も同時にできてしまい、余分な細胞ががんになるなど移植の妨げになる恐れがある。細胞表面の抗体を使って選別する方法があるが、心臓疾患治療への活用が期待される心筋細胞には選別に適した抗体がなかった。

 研究グループは、心筋細胞内にだけ存在する特定のマイクロRNAに着目。細胞が自ら死滅するように促す薬品を使い、このマイクロRNAと結合したときだけ働きを止めるようにすることに成功した。iPS細胞から作製した細胞の固まり(細胞集団)にこの薬品を加えると、心筋細胞以外の細胞は死滅するという。この方法によって、心筋細胞の割合が30〜40%の細胞集団を、90%を超える純度にまで高めることができた。特定の細胞にしか存在しないマイクロRNAは肝細胞やインスリンをつくる細胞にも存在し、グループでは同様の方法でこれらの細胞を選別することにも成功した。

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