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発達障害の子 親と心リンク

(2015年6月12日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

金沢大グループ研究「両方をケア対象に」

発達障害児と両親の心理状況は連動

 対人関係が苦手とされる自閉症など発達障害児の社会性が改善すると、両親の他者への共感性も高まるなど、親子の心理状態が連動していることを、金沢大子どものこころの発達研究センター(金沢市)の研究グループが明らかにした。発達障害児の支援には親も含めた包括的な理解が必要なことを示す成果で、11日付の米科学誌電子版に発表した。(小室亜希子)

 研究は長谷川千秋研究員、菊知充教授らのグループが、発達障害と診断された17人の幼児と両親を対象に実施した。

 子には協調性や適応性など社会性を、親にはどれだけ他者の立場に立てるかなどの共感性を測定する質問紙調査をそれぞれ行い、2年後に再調査して変化の関連性を調べた。

 その結果、子の社会性が改善している場合に両親の共感指数が高まる一方、子の社会性が低下していると両親の共感指数も低くなっていた。

 国際標準の質問紙法を用いて、親子の心理状態が連動していることを学術的に明らかにするのは世界で初めてという。ただ親と子のどちらがもう一方に作用するかなど、因果関係までは分かっていない。

 発達障害児は他者の心を理解するのが苦手なために就学後などに周囲に適応できず、また親や祖父母が子を受容できないケースがみられる。長谷川研究員は「親が子の素質を理解して、自尊心を守ってあげることが欠かせない。負の連鎖に陥らないように、親もケアの対象に含めていく必要がある」と指摘した。 

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