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子どものへんとう手術増

ぐっすり Good Sleep

(2016年1月12日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

 50代の私を含め、中高年はへんとう(俗語でへんとうせん)という言葉は聞き慣れている。しかし、今の若い世代は知らない。子どもたちが「へんとう炎」を起こしにくくなったからだ。

 へんとうは免疫機能があり、細菌を体内に入れないようにするためのフィルターだ。時々、細菌の死骸が白いぼつぼつとなり、へんとうの隙間にたまる。へんとうの免疫機能が低下したり、外部から入る細菌が多すぎたりすると、へんとうは炎症を起こし高熱が出る。

 中高年世代の幼少期は、今ほど栄養状態が良くなかったことに加え、良い抗生物質もなく、へんとう炎を起こすと、すぐに手術を勧められた。だが、1980年代に新たな抗生物質が次々と開発された。国民の生活水準も向上し、へんとう炎を起こす子どもが少なくなると、保護者も子どもに手術を受けさせることに消極的になった。

 それが近年、小児のへんとうの手術がまた増えている。へんとう肥大が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こし、成長障害の原因になりうると分かったからだ。以前も触れたが、子どものSASは手術で劇的に治る。

 ただ、子どものSASは脳波の変化やへんとうの成長との関係など、不明な点が多い。治療が必要かどうかは、睡眠検査を受けた上で決める必要がある。(名古屋市立大病院睡眠医療センター長・中山明峰)

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