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脳卒中リハビリ 代替神経で伝達 名市大など 回復過程を解明

(2016年1月14日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
ラットの脳から脊髄に情報が伝わる仕組み

 脳卒中の後遺症でまひした手足の機能がリハビリで回復する際、まひする前とは別の神経回路を経由して脳から運動の命令が伝わることを、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)と名古屋市立大大学院(名古屋市瑞穂区)の研究チームが突き止めた。13日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に研究成果が掲載された。

 リハビリの有効性は広く知られているが、手足の機能回復のメカニズムの一端が証明されたのは初めて。同研究所の伊佐正教授(55)は「より効果的なリハビリ方法の開発につながる可能性がある」と話している。

 同大学院の石田章真(あきまさ)助教(31)によると、通常、手足を動かす命令は大脳の運動野から直接、脊髄に伝わる。しかし、実験でラットに故意に脳出血を起こし、リハビリをさせたところ、脳幹の一部で運動の調節機能を持つ「赤核」を経由する代替経路を使い、脊髄に命令が伝わるようになることが確認できた。リハビリによって、運動を命令する情報の伝達量も増えるという。

 実験では前足を1週間、集中的に使うリハビリを行い、機能を一部回復させたが、ウイルスを用いて代替経路の機能を遮断すると、回復前の状態に戻ったという。代替経路に何らかの刺激を加えるなどして、運動機能の回復を効率化できる可能性もありそうだ。(佐藤浩太郎)

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