つなごう医療 中日メディカルサイト

開胸せず人工弁定着 大動脈弁狭窄症の83歳女性

(2016年2月3日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

 伊勢赤十字病院 三重県内2例目の手術

画像TAVIの施術を説明する執刀医の高村武志副部長(右から2人目)ら=伊勢市の伊勢赤十字病院で

 伊勢赤十字病院(伊勢市船江1)は2日、大動脈弁狭窄(きょうさく)症の女性患者(83)に対し、最新の手術法「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)」を実施したと発表した。県内では市立四日市病院(四日市市)に次いで2例目。(関俊彦)

 大動脈弁狭窄症は心臓の弁が高齢化などで開きにくく、十分な血液が心臓から送り出されなくなる。開胸して人工弁を取り付ける手術が一般的だが、体力低下などで施術できない高齢者は服薬治療をしている。

 手術は足の付け根の血管からカテーテルを通し、直径20ミリほどの人工弁を大動脈弁の位置に定着させる。手術は2時間ほどで、開胸手術より短時間で終え、体への負担が軽減できるほか、術後の入院期間も短くなる。

 伊勢日赤は昨年10月に心臓血管外科や循環器科の医師でチームをつくり、県内で初めて「経カテーテル的大動脈弁置換術関連学会協議会」(大阪府)から施術可能施設として認可されていた。

 病院によると、手術を受けたのは志摩市の女性で、肝硬変などが見られたため体への負担を考慮してTAVIの実施を決めた。先月29日に施術し、術後の経過は安定しており、合併症もなく今週末には退院する予定。

 会見した執刀医で循環器科部の高村武志副部長(38)は「人工心肺を使わないことで体への負担は軽減される」と説明。楠田司院長(57)は「高齢化社会が進むこれからは、地域完結型の医療がもっと必要になる。県南部の主要病院として先進医療を取り入れていきたい」と話した。

 TAVIは2013年10月から国内での施術が始まり、これまでに2600件ほどの術例がある。伊勢日赤では今後、年間20〜30件の手術を想定している。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人