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<診療報酬 4月からこう変わる> (上) 入院

(2016年2月21日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

大病院 重症者に専念

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 医療の公定価格である診療報酬の2016年度改定案が決まり、メニューや価格が出そろった。4月から反映される。国民生活にかかわりの深い医療は、どう変わるのか。「入院」「外来」「在宅」の視点から展望する。(鈴木穣)

 Q 診療報酬改定は何を決める制度なの。

 A 医療保険から医療機関や薬局に支払われる診療報酬(治療費や薬代など)は、治療や薬ごとに価格が決まっていて、原則2年に一度、見直している。診療報酬改定は、需要が多く、国が増やしたい医療の価格を上げ、その医療に取り組む医師や病院を増やすことを目指している。

 診療報酬は税金と保険料、患者負担で賄われる。今回の改定は、年間に使う医療費全体は15年度比で0.84%減。うち医師や薬剤師の技術料である診察や調剤の「本体」は0.49%増、「薬価」は1.33%減と決めた。だから患者が払う医療費も本体は上がり、薬代は下がる傾向になる。

 Q 改定の柱の一つは大病院と診療所などの役割分担を進めることだね。

 A その通り。ベッド数が500以上の大病院約240カ所のどれかを受診する際、地域の診療所などの紹介状がないと、初診料とは別に5千円以上、再診も2500円以上の新たな負担を求められる。厚生労働省は、軽症者はまず診療所で受診してもらい、大病院には重症の患者を優先させたいんだ。

 Q 病院の入院治療はどんな役割を受け持つの。

 A 病院には高度な医療や専門医療に専念してもらうんだ。がん治療や、保育士がいて重症の小児を積極的に受け入れる病院に報酬を厚くする。別の病気で入院した高齢者に認知症があれば、チームを組んでケアに取り組むようにする。認知症は早期発見が重要で病院に積極的に患者を見つけ出す努力を促す。

 Q 課題は。

 A 紹介状なしの大病院受診の負担増は、患者が受診を控えて必要な治療が遅れかねない心配がある。チームによる認知症ケアの体制づくりは簡単ではない。退院後の医療の確保ができないと患者の不安はなくならない。受ける治療によっては改定前より患者負担が増える場合があり、それに見合う医療かどうかの見極めも必要になる。

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