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認知症と生 訴える

(2016年3月7日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【石川】 この記事を印刷する

記録映画「妻の病」 「ゆめのほとり」 金沢でトーク伊勢監督と金森教授

画像認知症をテーマにしたドキュメンタリー2作について語り合う伊勢真一監督(右)と金森俊朗・北陸学院大教授=金沢市香林坊のシネモンドで

 認知症の妻と小児科医の夫を描くドキュメンタリー「妻の病」、グループホームで生きる認知症の高齢者の日常を記録した「ゆめのほとり」が上映されている金沢市香林坊のシネモンドで6日、両作品を撮った伊勢真一監督と北陸学院大教授の金森俊朗さんがトークイベントで、映画を通し日常の営みのかけがえのなさについて語り合った。(松岡等)

 「妻の病」は、高知県南国市で開業する石本浩市医師と50代でレビー小体型認知症を発症した妻弥生さんの10年に及ぶ日々を追う夫婦の絆の物語。「ゆめのほとり」は札幌市のグループホーム「福寿荘」で生きる認知症の高齢者たちの表情を丹念に記録することで、見る人に生の営みのいとおしさを訴えかける。

 金森さんは「ゆめのほとり」に登場する認知症のお年寄りたちについて「所作の美しさに感銘を受けた。お年寄りたちは映画の中で美しく老い、美しく病んでいる」と表現。「多くの人は誰からも褒められず人生を終えていくものだが、撮影した伊勢監督たちがいい目で見てくれることで、人生の応援歌になったのでは」と話した。

 伊勢監督は「ゆめのほとり」の試写で、撮影後に亡くなった人が映し出されているのを見た入所者の一人が「あんたそこにいたのか」と指さしたというエピソードを紹介。「おばあちゃんたちは映画の中でずっと生き続けるのだと思う。立派な言葉ではないが、食べたり、うがいをしたり、歌ったり、けんかしたりする姿の中に、『生きている』というメッセージがある」と話した。

 「妻の病−レビー小体型認知症−」「ゆめのほとり−認知症グループホーム福寿荘−」はともに18日まで上映。

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