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不安制御 仕組み解明

(2016年3月16日) 【中日新聞】【朝刊】【滋賀】 この記事を印刷する

滋賀医大の勝山教授ら 精神疾患 治療や診断技術に期待

 不安な感情を制御する脳の仕組みについて、滋賀医科大解剖学講座の勝山裕教授(47)らがマウスを使った実験で解明した。英オックスフォード大の科学誌電子版に発表した。(浅井弘美)

 脳の中には、思考や知覚をつかさどる大脳皮質があり、神経細胞が層をなして配列されている。勝山教授らは、この層を作るために必要なタンパク質「リーリン」と、その情報を脳内で新しく生まれた神経細胞に伝えるタンパク質「Dab(ダブ)1」の働きに着目。大脳皮質からDab1を欠損させたマウスを遺伝子操作で作り、ゲージに放つ実験を行った。すると、普通のマウスは隅でじっとするが、遺伝子操作したマウスは中心へ出ようとしたり、暗いところから明るいところへ躊躇(ちゅうちょ)なく出たりするなど、不安行動が見られなかったという。

 両タンパク質の欠損は、以前から統合失調症や自閉症などの発症と関係がある可能性が指摘され、実験でも両疾患に見られる多動や記憶能力の低下があった。実験結果は、精神疾患の治療や発症初期の診断技術の開発につながると期待される。

 勝山教授は「不安は人間社会の中でよくないものと考えられ、積極的な行動ができなかったり、精神疾患の症状を悪化させることもある。不安は正常な機能であり、不安を感じることに不安を感じる必要はない」と話している。

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