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名古屋に小児がん基金 名大病院の研究支援

(2016年3月18日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像準備会で基金づくりの思いを語る名古屋大の小島勢二教授=名古屋市昭和区で(安藤明夫撮影)

 小児がんの子の命を守るため、市民の協力を得て大学主導の研究・治療を充実させようと「名古屋小児がん基金」が5月に発足する見通しになった。名古屋大医学部小児科の小島勢二教授(65)が、今月末の退官を前に準備を進めている。海外の大学病院、研究機関では研究を支援する個別の基金が広く見られるが、日本の小児がん分野では初めて。

 基金は一般社団法人として設立。財源は個人や企業からの寄付で、既に数件の申し出が寄せられている。寄付金を運用し、名大病院での小児がんの新規治療や副作用の予防・軽減療法の開発、医療スタッフの増員、アジアの発展途上国の患者サポートなどに充てる。

 顧問として、河村たかし名古屋市長、作家の鎌田實諏訪中央病院名誉院長、木下平愛知県がんセンター総長、名古屋市立大・愛知医大・藤田保健衛生大の小児科教授らが就任予定。有識者で構成する理事会が、基金の使途を協議する。

 名大病院は、全国トップの年間約100人の小児がん患者が受診。骨髄移植後の難治性ウイルス感染症に対する免疫細胞療法などの臨床研究でも世界に知られる。2013年に小児がん拠点病院に選定された際の審査では、研究点、総合点とも全国1位の評価を得た。

 小島教授は12日、退官記念の会を兼ねた準備会で「大手製薬企業が薬剤を開発・販売する米国型の先進医療が広がり、超高額の薬価が国民皆保険制度を脅かしている。私たちが目指すのはヨーロッパ型。大学が患者さんのために低コストで開発し、治療に用いるための研究だ。寄付金を研究費に充てる仕組みを築いていきたい」と意欲を述べた。

 小児がん関連では、全国規模の基金はあるが、一つの大学病院の研究支援を目的とするものは初めて。

 同基金の問い合わせは、名大小児科・大川、浪崎さん=電052(744)2298=へ。募金窓口は、ゆうちょ銀行「名古屋小児がん基金設立準備会」。銀行からの振り込みは、店名089、当座預金、口座番号0153642。郵便局からは、記号00820−9、番号153642。

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