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仕事で得たスキル 育児中の社会貢献に

(2016年3月23日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

発想柔軟「ママボノ」活躍

画像「カンパイチャリティキャンペーン」など消費者市民社会の意義を伝える田口さおりさん(右)=名古屋市東区のナゴヤドームで

 職業で得た技術を生かして、育児中に社会貢献する女性たちが増えている。この活動は「ママボノ」と呼ばれ、新たなボランティアの形として注目されている。 (稲熊美樹)

 「『カンパイチャリティキャンペーン』の参加店で生ビールを飲めば、子どもたちへの寄付につながりますよ」

 2月末、名古屋市東区のナゴヤドームで開かれた女性向けイベント。田口さおりさん(40)=愛知県北名古屋市=が、来場した親子連れに声を掛けた。田口さんは小学4年の男の子がおり、普段はフリーでイベントの企画、運営の仕事をしている。

 チャリティでは、客が飲んだビール1リットルに付き1円を、ビール納入業者が子ども基金に寄付する。ママ目線で活動を推進しようと、田口さんらがこの日の女性向けイベントに出展。「たくさんの人にチャリティを知ってもらえました」と笑みを見せた。

 チャリティを企画したあいちコミュニティ財団(名古屋市)の木村真樹代表理事は「高度なスキルを持ったボランティアを集めるのは、なかなか難しい。そこで発想が柔軟で“共感力”がある女性に目を付けた」と、チャリティにママボノを絡めた意図を語る。

 ママボノに取り組む女性にとっても、自分の活動の場が広がることは喜びにつながる。

 「一歩踏み出して、自分の見識を広げ、成長したいと思った」。田口さんとともに活動している屋部清花さん(32)=名古屋市名東区=は参加理由を話す。小売業の会社員で、3歳と1歳の女の子の母だが、長女の出産を機に、2012年から4年間、育休などを利用して仕事を休んでいる。「仕事への復帰に向けて、少しずつ社会との関わりを増やしていけそうです」

 ママボノ 語源は、「公共善のために」を意味するラテン語「プロボノ」。日本財団とNPO法人「サービスグラント」(ともに東京)が“ママ版”として造語し、女性の活動の場を提供している。

 自分の技術を生かしたいママたちと、支援を求める団体を橋渡ししているサービスグラントによると、団体は平日の日中に支援を求めることが多く、この時間帯に活動できるのはママだったことから、ママボノが始まったという。

 同NPOが募集した2カ月ほどの短期のママボノには、これまでに30人以上が参加。橋渡し先は、共働き家庭の自宅の片付け支援や、草の根の国際交流を進めるNPO。プロジェクトの進行管理やマーケティング、新規事業の提案などをしてもらった。

 嵯峨生馬(いくま)・代表理事は「育休中の女性は、復帰後すぐに質の高い働き方を迫られるため、復職への不安感が強い」という。

 ママボノは復職前のウオーミングアップとして、普段の仕事とは違った体験ができる。「ママボノでプロジェクト管理やリーダーの仕事を体験すれば、管理職になる前の練習にもなる。今後もママボノの活動を広めたい」と強調する。

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