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生活行動 再考の時代

ぐっすり Good Sleep

(2016年3月29日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

 この連載も最終回となった。いざ最終回となるといろんな思いがこみ上げ、書きにくいものだ。

 あらためて思う。なぜ人は1日の4分の1もの時間を寝るか。間違いなく言えるのは、生活を営むにはそれだけの充電時間が必要ということだ。

 文化の進展により、睡眠を妨害する因子が2つ出現した。世の中が24時間活動し、人は寝なくなり、睡眠リズム障害や不眠が多発した。また、過食による肥満が睡眠時無呼吸症候群を生み出した。

 患者は病院に即効性のある薬物を求める。過去の医療はそれに反応し、薬物依存の患者を生んだ。この反省に立ち、次々と発生する症状の対処をするより、症状の原因となる生活行動を見直す、再考する時代に入った。

 食べたいのを少し我慢する。1時間でも長く寝る。それだけで症状が改善する人がいるはずだ。人が幸せになるために進化するのが文化である。しかし、行き過ぎた文化は決して人を幸せにはしない。

 コラムがどの程度皆さまの役に立ったか不安であり、1年間駄作に付き合っていただいた読者に感謝の念が尽きない。読者の皆さま全員がぐっすり、グッドスリープできることを心から祈りながら、「ぐっすりセンター」は今後も睡眠医療のためにまい進し続けたい。

 (名古屋市立大病院睡眠医療センター長・中山明峰) =終わり

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