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詰まらない大福 好評 伊賀の和菓子店 皮に米粉高齢者も安全

(2016年4月1日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像お年寄りも安全に食べられる「おかゆ大福」を考案した中村伊英さん=三重県伊賀市で

 皮が口の中でほろりと溶け、のみ込む力が弱ったお年寄りでも安心して食べられるスイーツ「おかゆ大福」を三重県伊賀市上野東町の老舗和菓子店「桔梗屋織居」が考案した。親類を餅の事故で亡くした店主の中村伊英(よしひで)さん(56)が「お年寄りに寄り添える和菓子になれば」と試作を繰り返し、構想から10年以上を経て、完成させた。(中山梓)

 もち米をついた皮であんを包んだ大福は、粘りやこしが魅力の一つ。半面、お年寄りにとっては、のどに詰まらせる危険もある。皮に粘りが出ないよう「米粉」を思いついた。

 水や寒天を加えて米粉を練ることで、餅の皮の代わりにした。口の中に入ると、皮はくずれる。「餅を食べている気分を味わうことができ、のどに詰まらない」。こしあんを入れて包み、試作は10回以上。昨年末にようやく満足できるものに仕上がった。柔らかなイメージから「おかゆ」の名前を付けた。

 きっかけは、13年ほど前、中村さんの祖母の弟が正月に餅をのどに詰まらせて90代で亡くなったこと。400年余り続く和菓子店の18代目として「安心して食べられる和菓子」への思いを強くした。

 伊賀市腰山の特別養護老人施設「森の里」は、利用者のためにおかゆ大福を注文した。看護師や介護士と相談して提供を決めた管理栄養士の高橋充子さん(51)は「お年寄りは甘い物が好き。反応も良くて、大好評だった」。のみ込む力が弱い人も「安全に食べられた」と評価する。

 おかゆ大福は今年から本格的に売り始めた。今後は、よもぎやきな粉味の商品も考える。中村さんは「高齢になっても本格的な和菓子を味わえることに意義がある。諦めていたものを食べられる喜びを感じてもらいたい」と期待する。

 税込みで1個130円。問い合わせは桔梗屋織居=電0595(21)0123=へ。

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