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陰部の慢性湿疹 改善しない 患部冷やし、洗う時は湯

紙上診察室

(2016年5月10日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 陰部の慢性湿疹 改善しない

 5年前、陰嚢(いんのう)の慢性湿疹といわれ、皮膚科で複数の薬をもらいましたが改善しません。泌尿器の検査では異常なしです。 (男性・79歳)

A 患部冷やし、洗う時は湯

画像坪井良治さん

 陰嚢など陰部の慢性湿疹は、60歳以上で男女を問わずよく見られます。羞恥心から受診できずに悩んでいる人もいます。慢性湿疹は長く続く皮膚炎の総称で、相談内容から、この方は陰部の皮膚痒(そうよう)症も合併していると思われます。

 皮膚痒症は皮膚に発疹などの異常がないにもかかわらず、脳にかゆみの情報が伝わり、かゆみを感じてしまう病気です。かくことが刺激となり、さらにかゆくなり、この悪循環で皮膚が黒ずんで厚くなります。かきむしって傷ができることもあり、肛門、耳や手の甲などに症状が出る人も。ストレスなど精神的な影響も考えられ、不眠が関係することもよくあります。

 完全には治せませんが、生活上の注意や治療で改善できます。かゆみは体が温かくなると強く感じるため、保温性のある下着は避けた方がいいでしょう。保冷剤をタオルなどで巻いて、患部を冷やすと症状が和らぎます。洗う時にはせっけんをつけて強くこすらず、お湯で洗い流す程度にしてください。

 治療は抗ヒスタミン薬の内服や外用ステロイド薬、保湿剤を症状に合わせて使用します。不眠がある場合には、睡眠薬や睡眠導入薬を使います。外用ステロイド薬を使うときには、最初から強い薬を使わないようにし、毎日使うのもできるだけ避けた方がいいでしょう。生活上の注意を守って治療を続けても改善しない場合は、皮膚科専門医の受診をおすすめします。 (東京医科大皮膚科教授)

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