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肛門科 増える女性専門外来 「恥ずかしくない」好評

(2016年5月10日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
画像女性専門の診察室を紹介する松村奈緒美院長=横浜市西区で

 痔(じ)に悩んでいても、特に女性は、恥ずかしさから受診をためらうことが多い。女性従業員だけの肛門科クリニックや、男性患者と顔を合わせないような配慮など、女性のお尻の悩みに応えようとする専門外来が増えている。 (寺本康弘)

 横浜市西区の横浜ランドマークタワー。7階のクリニックフロアの一角に、女性専門肛門科の松島ランドマーククリニックがある。

 「付き添いの方も含めて、男性は入れません」。院長の松村奈緒美さん(50)が説明する。待合室には観葉植物やリースが飾られ、落ち着いた雰囲気だ。

 クリニック側も、2人の医師をはじめ、看護師や事務職員ら全員が女性。最初は1週間のうち半日だけを女性外来としたものの、受診者が増え続けたため、2008年から女性専門にした。1日80人ほどが受診する。

 「痔を恥ずかしいと考える人が多いので、診察の環境づくり、しっかり説明することに力を入れています」と松村さん。

 診察室のベッドはカーテンで閉め切ることが可能だ。診察する医師や看護師以外から姿を見られないように配慮した。診察用のカメラの画像は、患者本人も見られる。「いぼ痔や切れ痔といっても、患者さんはイメージしづらい。実際に患部を見て納得してもらうことが大事」という。

 患者からも好評だ。20代の患者は「病院内がきれいでとても配慮されている。女性専門で通院しやすい」、70代女性は「従業員に男性がいないので受診しやすい」と喜ぶ。

 女性専門の外来時間を設ける肛門科は増えている。名古屋市瑞穂区の野垣病院は、09年10月から毎週金曜日の午後を女性外来専門にした。金曜午後の患者数は倍増したため、昨年8月からは月曜午後も女性外来に。院長の野垣正宏さん(72)は「女性には他の男性患者と鉢合わせするのが恥ずかしいという気持ちがある」と分析する。

 気恥ずかしさから受診を遅らせると、がんが見逃される可能性がある。肛門からの出血は、痔の他にがんの可能性もあるからだ。

 松村さんは「排便時に血が出たときに『自分は切れ痔だから』などと決めつけてしまい、がんがあっても見逃されてしまうのが怖い」と指摘する。便器が血で染まったり、出血が何度も続いて改善しないような場合は、速やかな受診を呼び掛けている。

 お尻の健康法について、松村さんに聞いた。

 −痔の原因と防止策は。

 女性は男性に比べて便秘になりがち。便秘は痔の原因になりやすい。便秘防止には、水分と食物繊維をよくとって、硬すぎない便を出すこと。逆に軟らかすぎも良くない。ゆるい便ばかり出していると、お尻の穴が広がらなくなる。ちょっとでも硬いと、広がらなくて出すのに苦労する。

 −食べ物以外では?

 同じ姿勢を続けると、肛門がうっ血していぼ痔になる可能性がある。デスクワークの多い人は、1時間に1回は立って歩く。女性なら下半身の冷えを防ぐようにする。お風呂に入ってしっかり温まるのも良い。

  肛門やその周辺が痛んだり、出血したりする疾患。いぼ痔や切れ痔のほか、肛門の周囲が化膿(かのう)して穴が開く痔ろうがある。

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