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心の傷にセルフケア 被災地 肩たたき不安軽減

(2016年5月24日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像セルフケアの一つ、縦列肩たたき。疲れがたまる被災者、支援者たちも自然に表情がほころぶ=熊本市の肥後銀行本店で

 余震が収まる気配を見せない熊本県の被災地で、ストレスと向き合う講習が盛んになっている。

 20日夜、熊本市の肥後銀行本店会議室で開かれた講習会(熊本県精神保健福祉協会など主催)。企業関係者、産業医ら約300人が立ち上がって、前の人の肩をトントンたたく。次第にはしゃぎ声が広がった。

 「みんな自然に笑顔になってますね」と、同市東区の精神科医仁木啓介さん(56)=ニキハーティーホスピタル理事長。

 仁木さんはトラウマ(心的外傷)ケアの実践で知られる。4月下旬から災害後の心と体の状態を理解する心理教育の講義と、ストレスへの対応を学ぶセルフケアの体験会を、企業や病院職員らを対象に開いている。

 仁木さんによれば、災害を体験した後の恐怖感、不眠、感覚のまひなどは、当たり前の反応で、病気ではない。ただ長期化を防ぐために周囲とのつながりを大切にしながら、心身の安定を図ることが大事だという。

 職場で簡単にできるセルフケアとして「肩もみ・肩たたき」のほか▽手をつないで輪になり、順に強く握っていくことで「つながり」を意識する▽水を少し飲んでから鎖骨の下をマッサージし、足踏みする−などを勧める。

 東日本大震災などの被災地でもセルフケアの指導をしてきた森川綾女・日本TFT協会理事長は、つぼを刺激することで心理的な問題を改善させるTFT(思考場療法)を紹介した。手順に沿って顔や手などのつぼをトントンとたたくなどして、不安、恐怖、怒りを軽減できるという。

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