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家庭で手軽に薬膳料理

(2016年8月2日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
画像夏をのりきる薬膳フレンチフルコースを味わう参加者=東京都港区のホテルで

 健康志向の高まりを背景に、病気の予防や健康維持に効果があるとされる食材を使った薬膳が人気を集めている。医師や薬剤師、管理栄養士らでつくる日本薬膳学会は、家庭でも手軽に薬膳を楽しめるおすすめ料理を提案しているほか、食材摂取による効能の科学的な検証も進めている。 (寺本康弘)

 「薬膳というと苦さや臭みがありそうだけど、食べやすいですね」。東京都港区のホテルで7月下旬に開かれた学会主催の薬膳セミナー。定員を50人上回る150人が参加し、「夏をのりきる薬膳フレンチフルコース」を味わった。

 メニューは、アミノ酸が豊富なキノコ「シロキクラゲ」や、ナス科の赤い「クコの実」の入ったトウガンスープ、漢方に使われる木の実「リュウガン肉」入りソースの牛フィレ肉ソテーなど6品。学会メンバーとホテルのシェフが考案した。

 東洋医学では、シロキクラゲは美肌維持、クコの実はふらつき防止、リュウガン肉は不眠に効くとされる。夏が旬の野菜は体の熱を冷ますものが多いため、体を温める効果があるショウガなども取り入れて、冷えすぎないよう工夫。通常のフランス料理のフルコースは1200〜2千キロカロリー程度だが、930キロカロリーに抑えた。

 学会は、鈴鹿医療科学大(三重県鈴鹿市)の教員が中心となって3年前につくった。高齢化が進む中、薬膳普及による健康づくりが主な目的だ。一般向けの家庭薬膳セミナーを年4回、名古屋市と鈴鹿市で開催。薬膳の栄養学を学び、季節ごとのメニューを紹介している=上記レシピ参照。

 同大副学長の長村洋一教授によると、薬膳の良さは和食にも取り入れられているという。「うどんに入れる具を加薬、ネギやショウガは薬味と呼び、これらを入れると栄養バランスのいいうどんになる。これも薬膳なんです」と話す。ウナギを食べるときに使うサンショウには、消化を助ける効果もある。

 ただ、学会代表理事の高木久代教授は「生薬の原料を加えれば、体にいいわけではない」と指摘。血圧を上げる生薬は高血圧の人は避けた方が良いという。

 学会は現在、伝統的に体にいい食材とされるものの、科学的な裏付けを進めている。例えば、ヤマイモは東洋医学では血糖値の高い人に食べさせるといいとされるが、同大のマウスを使った実験では、ヤマイモを与えたマウスと与えていないマウスでは与えたマウスの方が血糖値が上がりにくくなることが分かった。今後、他の生薬の原料でも実験する。

 高木教授は「薬膳は科学的根拠が弱いため、根拠をはっきりさせ、裏付けのある薬膳を作って広めたい」と話す。

ゴーヤーとレンコンの生姜しょうが煮

【材料・1人分】
ゴーヤー30グラム、
レンコン30グラム、
ショウガ3グラム、
昆布だし汁50グラム、
ごま油少量、
減塩しょうゆ小さじ2、
みりん小さじ1

【作り方】
<1>ゴーヤーは縦半分に切り種を取り除き薄くスライス
<2>レンコンは皮をむいて縦半分に切り薄くスライス。水につけてあく抜きする
<3>ショウガは皮をそいで千切り
<4>ゴーヤーは炒めておく
<5>レンコンとショウガ千切りをごま油で炒め調味料を加えて約5分煮込む
<6>(5)の汁気がなくなったら(4)を合わせる。

【材料・1人分】
白米と玄米(各30グラム)、
ウーロン茶(玄米で炊くのと同じ分量)

【作り方】
炊飯器を使用。白米と玄米をウーロン茶で炊く。

 薬膳 中国の伝統的な医学の考えに基づき、生薬や漢方薬を食事の中に取り入れた料理。健康増進や病気の予防などが目的。

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