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骨髄移植 細い命綱 名古屋市議 闘病 適合者いる。なのに…

(2016年9月16日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像生まれたばかりの長男を抱く、白血病を告白した日比健太郎さん=6月(本人提供)

 名古屋市議の日比健太郎さん(35)=民進党、名東区=が自身のフェイスブックで白血病を告白した。5月に入院して以降、議会を欠席。政治家にとって病状が明らかになるのは痛手だが、白血病や骨髄移植のドナー(提供者)登録への理解を広げたいと、踏み切った。「ドナー確保に手間取った経験などを踏まえ、病気で苦しむ人を助ける環境整備に役立ちたい」と話す。(安田功)

 衆院議員秘書を経て2007年に初当選。3期目の今年3月に体調の異変を感じ、5月中旬に近くの病院で白血病と診断された。再発の危険性が高いとされる「急性混合性白血病」。無菌病棟のある名古屋市内の病院に入院。移植相手となるドナーを探すと、白血球の型が適合する人が4人見つかった。しかし、いずれも移植に至らなかった。

 ドナーには、健康診断や骨髄採取のため1週間近い通院・入院の負担を掛けることになる。日比さんは「仕事や健康状態などで辞退せざるをえない人もいたのではないか」。凍結保存のためドナーとのコーディネートが必要ない臍帯(さいたい)血移植ができる見通しとなり、28日に手術に臨む。

 抗がん剤治療で体のだるさや、髪の毛が抜けるなどの副作用に悩まされ、死を感じることも。一時退院で6月に生まれた長男を抱き、力をもらった。移植後も再発の危険性は5年ほど残る。

 「骨髄バンクに登録しても、事情で協力できない人が多くいる現状を身をもって知った。移植のために仕事を休む場合、休業補償が認められるなどの制度が広がってほしい」

 バンク登録場所などの周知もまだ足りないと感じている。遅くとも来年2月までの復帰を目指して、それまではフェイスブックで白血病への理解を呼び掛けていく。

仕事や入院 提供にハードル

 日本骨髄バンク(東京)によると、ドナー登録者数は7月末時点で46万人余。一方、患者登録している人は3200人余で、大半は移植の適合者がいる状態という。

 登録は、献血ルームなどで18〜54歳の男女から受け付けている。実際にドナーとなれるのは20〜55歳。40代が最多の19万人余で、20代はその半数以下の7万人余にとどまる。骨髄バンクの担当者は「若者の非正規雇用が増え、休みを取りにくくなっているのが一因ではないか」と指摘する。

 登録はしたものの、いざ移植となると、仕事などを理由に辞退するドナーは少なくない。岐阜県瑞浪市では昨年4月からドナーに1日2万円、勤務先に1日1万円を最長で7日分提供する助成制度を始めた。日本骨髄バンクによると、同様の制度は170ほどの自治体で導入されている。

 骨髄、末梢(まっしょう)血管細胞の移植は1991年の設立以来、2万件弱に上る。今月17日は「世界骨髄バンクドナーデー」。慶応大日吉キャンパス(横浜市)で午後0時半から、バンク設立25周年記念全国大会が開かれ、移植現場の報告などがある。問い合わせは同バンク=03(5280)1789=へ。

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