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敦賀病院 6年連続黒字

(2016年10月3日) 【中日新聞】【朝刊】【福井】 この記事を印刷する

医師不足「赤字」一転

画像黒字経営を保つ「市立敦賀病院」=敦賀市三島町で

 全国で自治体病院の赤字経営が問題となる中、市立敦賀病院(敦賀市三島町)が2010年度から15年度まで6年間、黒字を保っている。給食業務を見直して経費削減し、高齢者ら入院患者の在宅復帰を促す「地域ケア包括病棟」を設けて収入増に努めた。米島学院長(61)は「二州地区の総合病院として地域に必要とされる医療や看護を提供していきたい」と話す。(古根村進然)

 敦賀病院は05年度に、市の繰入金約6億円を含む収入が人件費など支出を下回り赤字に転落した。04年度に導入した新医師臨床研修制度で、研修医が出身大学以外の病院で研修を受けられるようになったのが引き金となった。地方の自治体病院に派遣された医師が研修医の減った大学へ戻されるようになり、敦賀病院でも内科系の医師9人が一斉に退職した。

 医師不足で、診療科を縮小。入院や外来の患者は減り、収入の柱となる診療報酬も減少した。05〜09年度で計18億2千万円の純損失を出した。この間は市の繰入金に加え、累計10億円の補助金でしのいだが、総務企画課の上野建吾課長補佐は「必要な人材の確保が難しく、現場の負担が増えた。最新の医療機器も導入できずに手詰まりの状態だった」と振り返る。

 病院は10年度から入院患者向けの給食を外部に委託し、調理員を学校などへ移して人件費約1億円を削減した。

 費用のかさむ医薬品について、従来は使う種類や量を見越して余分に在庫を抱えていたが、使った分だけ業者に支払うシステムに変更し、1億円以上の無駄を省いた。

 14年度には診療報酬の見込める地域ケア包括病棟を、県内の公的医療機関で初めて設置。現在は2棟で年間に1億円以上の収入をもたらす。

 総務省の調べで、全国804の自治体病院のうち、14年度に黒字だったのは43%の348病院にとどまった。

 全国自治体病院協議会によると、自治体病院は、小児医療や救急医療など不採算分野も担っており、繰入金があっても黒字を維持するのには経営努力が求められるという。

画像病院経営について話す米島院長=市立敦賀病院で

 敦賀病院は本年度から地方公営企業法の「全部適用」制度に移行した。人事などの権限が敦賀市長から院長に移り、より機動的な運営ができるようになった。ただ、累積赤字は依然として10億円程度抱えており、消費税増税なども控える。米島院長は「スピード感を持って課題に対応していきたい」と話す。

 市立敦賀病院 1882(明治15)年に開設された県立敦賀病院に始まる。1955(昭和30)年に市立敦賀病院に改称。現在は一般病床330床、感染症病床2床。常勤医は44人おり、内科や小児科、消化器科など19科ある。

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