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弾性ストッキングで軽く 脚のむくみ 悪化すると血栓に

(2016年10月25日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
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 女性や高齢者、立ち仕事の人を中心に、脚のむくみに悩む人は多い。運動習慣を身に付けたり、意識して脚を動かしたりすることで軽くなることが多い。改善のない場合は、脚を圧迫するよう作られた弾性ストッキングをはくと効果的だ。 (稲田雅文)

 「もう、これを手放せません」。名古屋市内でうどん店を営む男性(55)は、仕事の時に弾性ストッキングを着けるようになって2年近くになる。

 朝の仕込みから夜の閉店まで1日10時間以上、厨房(ちゅうぼう)にほぼ立ちっぱなし。この生活を約30年間続けているが、50代になったころから、脚のむくみが気になるようになった。

 常に脚がだるくなり、夜は靴が履けなくなるほど。脚のけががなかなか治らなかったため、医師に診てもらうと、脚の血液循環が悪くなってこぶのようになる下肢静脈瘤(りゅう)と診断された。

 血管外科で手術を受け、再発防止のために勧められたのが弾性ストッキングの着用だった。男性は「脚のだるさが、うそのように楽になった」と話す。

 脚がむくんでいるかどうかは、すねを指で5秒程度押すと分かる。指を離した後、指の形がそのまま残っていればむくんでいる可能性が高い。むくみを長年放置すると、男性のように下肢静脈瘤に症状が悪化する可能性がある。だが、むくみは大したことはないとみられがちだ。

 医療機器メーカーのテルモ(東京都)が2015年、30〜60代の男女1000人を対象に聞いたところ、「脚に何らかの違和感を感じる」が84%に上った一方、「症状があっても医師の診察を受けたことがない」人が85%を占めた。下肢静脈瘤が悪化すると血栓ができたり、皮膚が破れて潰瘍になったりするため、軽いむくみの段階で対処することが大切だ。

ふくらはぎの筋肉つけて

岩田博英さん

 むくみは、脚の筋肉が弱いと起きやすい。

 心臓から押し出されて足先まで達した血液は、重力に逆らって静脈を上がり再び心臓へ戻る。ふくらはぎの筋肉には「筋ポンプ作用」があり、収縮時に脚の静脈内の血液を押し上げる=図参照。ところが脚の筋力が弱い女性や立ったままの仕事の人は、血液が脚に滞りがちになり、血管からしみ出した水分がむくみを引き起こす。

 いわた血管外科クリニック(名古屋市)院長の岩田博英さん(53)は「若い女性のむくみは運動不足が原因のことが多い」と指摘する。高齢者は脚の筋力の低下のほか、皮膚の弾力も減ってむくみやすくなる。

 むくみの軽減に有効なのは運動。歩いたり、スクワットなどの運動をしたりすることで、筋ポンプ作用を働かせることができる。立ち仕事の人は休憩時になるべく歩くと良い。足腰が弱い人は、足踏みをするだけでも効果がある。

 運動をしてもむくみが改善されなければ、脚を圧迫する弾性ストッキングをはくと有効だ。圧迫力は足首が最も強く、上に行くほど低くなるように作られている。むくみが少ない朝に着け、就寝前に外すのが基本だ。内科や血管外科で医療用を処方してもらえるほか、最近は薬局でも同様の製品が手に入る。

 ほとんどのむくみは命に直接かかわることはないが、岩田さんは「脚だけでなく両手もむくんでいる場合は、内臓の病気が隠れていることがある。診察を受けてほしい」と勧める。

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