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世談・役立てる喜び

(2016年11月20日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

15日付の朝刊医療面で、日本骨髄バンクを通じて骨髄を提供したドナー女性を紹介したところ、東京在住の友人・田中紀子さん(52)が「私も提供しました」と教えてくれた。
市民団体を立ち上げ、ギャンブル依存症の正しい理解、治療の充実を訴えている田中さん。ドナー体験を「知らない誰かの役に立てる喜びと、家族の協力のありがたさを知った原点」と振り返った。
提供したのは4年前。仕事のやりくりも大変だったが、衝撃的だったのは、採取手術の前日に義父が亡くなったこと。全身麻酔の入院手術で、お通夜や葬儀に出られない。提供を受ける患者は無菌室で前処置を受けており、キャンセルできない。田中さんは義父の遺体にお別れをして、不義理をわびた。義母は「のりちゃん、生きている人の命を大事にして」と、快く送り出してくれた。
移植は成功し、提供相手からバンクを通じて感謝の手紙が届いた。家族の感激が伝わる内容で「本当にうれしくて、骨髄バンクって提供者のためにあるんだ、とさえ思いました」。
若者のドナー登録は減少の一途だ。役立てる喜びを、若い世代にこそ、知ってもらいたい。(編集委員 安藤明夫)

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