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子どもの血液がん再発リスク

(2016年12月6日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

名大グループ 高確率の診断法 開発

画像従来の100倍の精度で白血病細胞を検出できる新型測定器「次世代シークエンサー」=名古屋市昭和区の名大病院で

 再発すると死亡率が高くなる子どもの血液がん「小児急性リンパ性白血病」で、再発を起こす白血病細胞を高い確率で見つける診断法を、名古屋大大学院医学系研究科の村松秀城助教(小児科学)らのグループが開発した。これまで見逃された白血病細胞を早期に見つけ、治療効果の改善につながるという。(室木泰彦)

 小児急性リンパ性白血病は小児がんで最も多く、日本では年間約600人が発症。抗がん剤や骨髄移植など治療技術の進歩で、8割以上は長期生存が可能だが、再発すると約半数が死亡する。治療後に白血病細胞が残っていると再発するため、早く見つけ、抗がん剤の量など治療の強弱を調節することが課題となる。

 グループは高感度の新型測定器「次世代シークエンサー」を活用。従来の100倍の精度で、細胞100万個に1個だけ含まれる腫瘍も検出できる性能がある。2002年以降の名大病院などの患者72人(0〜15歳)から採取、保存していた細胞を診断。治療開始から4〜5カ月後、治療終了時(約2年後)などの時期ごとに調べた。

 4〜5カ月後では、58人のうち11人から白血病細胞が見つかり、5年後までに6割が再発。治療終了時でも54人のうち4人から残存細胞が見つかり、5年後までに3人が再発、残る一人もその後に再発していた。いずれも従来手法では、ほとんど検出できなかった。

 村松助教は「この診断法なら残存細胞を見つけ次第、有効な治療法を選択することができ、再発の悪化リスクを減らせる」と説明。名大病院はすでに活用しており、普及を目指す。成果は英血液学会誌電子版に掲載された。 

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