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拡張機能障害での心不全しくみ解明

(2016年12月20日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

生理研 特定のタンパク質で心臓が硬化

拡張機能障害で心不全が引き起こされる仕組み

 高血圧などによる心臓の拡張機能障害のため心不全が引き起こされる仕組みを、愛知県岡崎市の自然科学研究機構・生理学研究所の西田基宏教授(43)らのグループが明らかにした。心不全の新しい治療法につながることが期待される。成果は19日付の英科学誌(電子版)に掲載された。

 心臓の拡張機能障害は、高血圧や大動脈狭窄(きょうさく)が原因で血流による負荷がかかり続けることで心臓が硬くなった結果、心臓が広がりにくくなり、血液を十分にため込むことができなくなる状態。心不全患者の半数がこの障害によるが、治療法は見つかっていない。

 これまでの研究で、心筋細胞の間にコラーゲンがたまると心臓が硬くなることが分かっていた。西田教授らは、心筋の細胞膜上にあるタンパク質「TRPC3」に着目。TRPC3の量が増えて活発に働くことでカルシウムイオンを細胞内に取り込み、有害な活性酸素が発生した結果、コラーゲンが増えることを突き止めた。

 TRPC3を取り除いたマウスを高血圧状態にして実験すると、心臓が硬くならず、心不全にもならないことが確認された。西田教授は「TRPC3の機能を薬で抑制することが拡張機能障害の心不全に有効と考えられる」と話している。

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