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進歩続く緑内障の治療

ステキな視生活

(2016年12月27日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

 毎年12月にはノーベル賞の授賞式が行われますが、その成果は私たちの未来に希望を与えてくれます。過去にはノーベル賞を受賞した西欧の眼科医もいました。

 彼らを含めた多くの医師の業績により、20世紀には、現在の手術法の基礎となるさまざまな術式が確立されました。緑内障の手術もその1つであり、以前は失明を免れなかった急性緑内障も手術で安定する例も出てきました。

 緑内障は、眼圧の上昇により視神経が傷つく病気です。眼内を循環する房水(ぼうすい)と呼ばれる体液が増えることで眼圧が上昇するので、房水を永続的に眼外へ導き出す手術法が考案されました。

 房水の出口の隅角(ぐうかく)には、線維柱帯(せんいちゅうたい)と呼ばれるフィルターがあります。この部分を一部開放することでも眼圧は下がります。さらに多くの房水を排出させる必要がある場合は、眼外に出すための穴をあけます。ただ、手術した部分から細菌が入り、感染する恐れもあるため、隅角から白目(結膜)の下まで、トンネル状にした穴を通して、房水を流し、血管に吸収させる方法が開発されました。

 その後も、さまざまな改良が施され、現在の成功率は9割近くに達しています。それでも再発する場合には、眼内にチューブを入れて、房水を眼外に導き出す手術もできるようになりました。緑内障の治療も進歩し続けています。(名古屋医療センター眼科医長・広瀬浩士)

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