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スクールカウンセラー足りない! 名古屋市 急きょ追加募集

(2017年1月10日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 いじめや不登校に対応するスクールカウンセラー(SC)を中学校に常駐させる名古屋市の取り組みで、2017年度に予定していた定員の確保が難航し、市教委が急きょ、追加募集をしていたことが分かった。市は2年後の19年4月に全中学校110校にSCを配置する計画で、担当者は不安を募らせている。

 SCの常勤配置は、同市が14年度から「なごや子ども応援委員会」として全国に先駆けて導入。段階的に増員し、現在は心理カウンセリングなどの専門知識を持つ臨床心理士ら36人が活動している。

 市教委は17年度に向け、新たに20人程度を採用する計画だったが、応募32人のうち合格は18人にとどまった。市教委の担当者は「子どもを取り巻く環境が複雑化している学校で勤務する意味を明確に答えられない応募者が少なくなかった。質より量を優先するわけにはいかない」と説明。5人程度の追加募集を初めて迫られた。

 全国に会員2万人がいる「日本臨床心理士会」(東京)によると、臨床心理士は近年、医療や福祉の現場、企業などでも需要が高く、人手不足の傾向。若いうちは技能向上のため複数の職場を掛け持ちするケースも多いという。

 愛知県臨床心理士会会長で金城学院大の川瀬正裕教授は、応援委のSCの任期が最長5年という待遇面への不安も指摘。「雇用として安定していない上、複数の現場で経験を積むこともできない。子どもにかかわるあらゆる問題に対処することになり、自信が持てない人も多いのでは」と分析する。

 市は人材育成策として、名古屋市立大大学院に今春、定員10人の臨床心理コースを新設する。ただ、全中学校へのSC配置に向け、残り2年で50人程度増員する必要があり、担当者は「今回、定員を満たせなければ計画の見直しも検討せざるを得ない。今後も応募者を増やすために全国的にPRを続ける」と話している。

 なごや子ども応援委員会 名古屋市内のいじめ自殺を受け、学校現場で多忙な教職員だけでなく、外部専門家が子どもたちを見守る体制をつくろうと2014年度に発足。スクールカウンセラーをはじめ、福祉の専門知識のあるスクールソーシャルワーカー、学校と地域の連絡調整役となるスクールアドバイザー、警察OBのスクールポリスを拠点11中学校に配置。中核のカウンセラーやソーシャルワーカーを段階的に増員している。子どもや保護者、教職員の問題対応にあたり、15年度の相談件数は7033件に上った。

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