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頸髄損傷で四肢が麻痺

紙上診察室

(2017年1月24日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 頸髄損傷で四肢が麻痺

 転倒による頸髄(けいずい)損傷で四肢が麻痺(まひ)し、リハビリで少し感覚が戻りました。治療法や回復の可能性は?(女性・75歳)

A 治療は手術か保存療法

 頸髄損傷とは、神経の本幹である脊髄の首の部分が、衝撃などによって損傷を受けた状態をいいます。多くは頸椎(けいつい)(首の骨)や靱帯(じんたい)の損傷を伴いますが、それがなくても麻痺がおこる非骨傷性頸髄損傷と呼ばれるタイプもあります。生まれつき脊柱管が狭い人や加齢で狭くなった人は、それほど強い衝撃でなくても頸髄が損傷されます。相談者もこの非骨傷性頸髄損傷と考えられます。

 頸髄損傷の主な症状は、手足の運動麻痺、知覚障害、しびれなど。慢性期では特に、強く不快な手足のしびれや痛みが問題となります。一般に損傷直後の麻痺が重いほど、治療による症状回復の程度は小さいとされています。まれな例ですが、私の患者さんには、ほぼ完全麻痺だったのが緊急手術とリハビリで日常生活が可能になった方もいます。

 治療は、手術と保存療法です。頸椎に骨折や脱臼などがあれば、重い頭を支えたり動かしたりできなくなるため、多くは修復を目的として頸椎の固定術を行います。非骨傷性頸髄損傷の場合でも、頸髄が狭い脊柱管の中で圧迫されていれば、除圧術を行うこともあります。

 保存療法にはリハビリによる機能訓練と薬物療法があります。リハビリでは筋力強化による機能回復以外に、パワードスーツの装着で歩行を支援する方法もあります。最近では、急性期患者を対象に、損傷の3日以内に肝細胞増殖因子を注入する臨床試験が始まっており、注目されています。(白石脊椎クリニック院長・白石建さん)

 

画像白石 建さん

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