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赤ちゃんのスキンケア 日に2回は入浴・保湿

(2017年1月31日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
画像「よく泡立てたせっけんで洗って」と指導する谷美樹さん=愛知県日進市の川井小児科クリニックで

 皮膚が大人に比べて弱い赤ちゃんは、スキンケアが不可欠だ。入浴後などにこまめに保湿剤を塗り、肌が荒れた場合は小児科で適切な外用薬を処方してもらおう。(稲田雅文)

「まずは清潔に保つこと。そして1日2回は保湿してください」。川井小児科クリニック(愛知県日進市)が今月中旬に開いた「赤ちゃんのスキンケア教室」。看護師の谷美樹さん(51)が、母子を対象に、人形を使って入浴の方法から保湿までを解説した。

 谷さんによると、赤ちゃんの皮膚は大人に比べて薄く、水分量が少ない。母親のホルモンの影響で新生児は皮脂が多いが生後3カ月ごろから減ってくる。一方、汗をかきやすく、むれたり肌着などの刺激で皮膚トラブルを起こしやすい。

 赤ちゃんの肌を良好に保つ最適な湯温は38度。大人にはぬるめに感じる温度だが、もっと高いと上がった後に乾燥しやすくなる。長湯は禁物で、湯につかるのは3分でいいという。

 せっけんは弱酸性などの低刺激のものを選び、よく泡立てるのがポイント。ボトルから泡の状態で出る製品はたっぷり使う。

 体は、素手で皮膚をもむように洗う。タオルを使って洗うのは1歳を過ぎたころから。首や手足の関節、耳の裏などのしわにはあかがたまりやすいので、しわをのばして丁寧に洗う。

 お湯をかけてせっけんをきれいに洗い落とすのも大切だ。顔に湯をかけると嫌がるとしてタオルで拭くだけの親もいるが、「せっけんの成分が残るので頭の上から手早くお湯を流して。新生児は意外と平気です」。

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 お風呂から出てタオルで水分を拭いたら、すぐにワセリンなどの市販の保湿剤を塗る。乾いた部分や赤くなったところにすり込むように塗りがちだが、まんべんなく多めに塗る。小児科医から出た外用薬は保湿剤の上から使えばいい。

 谷さんは「大変だと思いますが、1日2回は体を洗って保湿してほしい。1回はせっけんで体を洗い、もう1回はシャワーで流すだけで大丈夫。できない場合は顔だけでも保湿をこまめにしてあげて」と勧める。

 クリニックの近所に住む女性会社員(28)は、生後4カ月の長男の顔に湿疹ができたため講座を受けた。「お風呂が好きなので、長風呂になっていたみたい。自己流を直したい」と話す。

肌が荒れているとバリアー機能低下

 乳児湿疹やアトピー性皮膚炎などで皮膚が荒れた場合も、スキンケアを続けて外用薬を指示通り使えばきれいな肌を取り戻せるという。

 肌が荒れていると、細菌などの異物が体内に入らないよう守る「バリアー機能」が壊れてしまう。最近の研究では、食物アレルギーの原因の一つは、湿疹などで荒れた肌から卵や小麦などのアレルゲン(原因物質)が体内に入るためと考えられている。

 日本小児アレルギー学会理事長で、国立病院機構三重病院(津市)の藤沢隆夫院長は「アトピー性皮膚炎のある子どもは、食物アレルギーやぜんそくなどを起こしやすいことが知られているが、スキンケアで予防できる可能性が高い」と指摘。ステロイド剤に抵抗感のある人もいるが「火事を消すようなもので、肌をきれいな状態に保つことが大切。いったんきれいになったからと自己判断でやめず、医師の指示を守って使ってほしい」と呼び掛ける。

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