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子宮体がん 新画像診断 福井大病院 負担軽減し出産成功

(2017年1月31日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 福井大病院の研究チームは30日、早期の子宮体がんのホルモン療法で、体への負担の少ない新たな画像診断手法により治療効果を確認した関西在住の女性(29)が女児を出産したと発表した。米国で乳がん患者に使う研究が進められているが、この診断手法を子宮体がんに適用して出産に至ったのは世界初という。

 子宮体がんは、多くは子宮の全摘出が必要となるが、早期の場合はがんを成長させる女性ホルモン「エストロゲン」を投薬で抑えるホルモン療法を適用できる場合があり、出産を望む患者が利用している。しかし治療効果を確認するために子宮内膜の組織検査が必要とされ、子宮を傷つけるおそれがあるほか、検査の前後に投薬を中断しなければならなかった。

 研究チームは検査のリスクを減らそうと、早期の子宮体がんに多い物質と結合する検査薬を院内で作り、陽電子放射断層撮影装置(PET)でがん細胞が減っているかを画像で確認する臨床研究を実施。出産した女性は、2012年に24歳で子宮体がんとの診断を受け、半年間ホルモン療法を受けた。

 確定診断のために初めに一度は子宮内膜の検査を受けたが、その後はホルモン治療を続けながらPET画像による診断を利用。再発することなく、今月23日に出産した。

 研究チームの吉田好雄教授は「ホルモン療法が効果的ながんを識別し、再発リスクを下げられる可能性もある。症例を増やし、保険適用を目指したい」と話した。会見に同席した女性は「子どもが本当に欲しかった。がんと聞いたときはショックだったが、出産できてとてもうれしい」と喜びを語った。

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