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小児遺伝性血液疾患に「新機器」

(2017年2月5日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

原因を迅速、高精度診断 名大など

 遺伝子異常の発見が治療の鍵になる遺伝性血液疾患について、原因になり得る180超の遺伝子の有無を迅速に見つけ出せる機器を使う新たな診断方法を、名古屋大大学院医学系研究科の村松秀城助教(小児科学)らのグループが開発した。従来の診断より精度が高く、適切な治療の確率が高まるという。

 小児遺伝性血液疾患は、生まれつき血液を造る働きに異常があり貧血、白血球や血小板の減少などの症状が出る。希少な病気ばかりで、10種以上の病気を合わせても国内患者は年100人未満という。

 同じ貧血症状でも、病気の種類が違うと原因も違い、治療法も別。正しい診断をしないと適切な治療ができず、症状や従来検査で診断するのは難しく、遺伝子診断を素早く行う方法が課題だった。

 そこでグループは、従来の遺伝子診断より約1億倍の解析量があるという高速診断機器「次世代シークエンサー」を活用。患者371人で診断した結果、33%の121人で診断できた。このうち、従来の遺伝子診断で病気が特定できなかった250人でも、27%の68人で病気を特定できた。

 また、診断できた121人のうち約1割の13人は、医師の臨床診断結果と違うことも判明。治療方法が違う病気も含まれ、より正しい遺伝子診断が可能なことを実証した。

 村松助教は「この診断法を全国で行うことで、正確な診断率が高まり、まだ見つかっていない遺伝子異常や病気の発見につながる可能性もある」と話す。成果は米遺伝学会誌電子版に掲載された。(室木泰彦)

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