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胸部大動脈瘤の破裂が不安

紙上診察室

(2017年2月7日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 胸部大動脈瘤の破裂が不安

 検査で直径4センチの胸部大動脈瘤(りゅう)が見つかりました。しばらく様子を見ると言われましたが、破裂するのではと不安です。(男性・65歳)

A 増大傾向なら手術を

 心臓から押し出された血液は、心臓から出ている胸部大動脈に流れ込みます。直径3センチ程度の太い血管で、ここが拡大した状態を胸部大動脈瘤と呼んでいます。直径が5センチ以上に拡大すると破裂の危険性が高まり、一般に、手術で人工血管に替える必要があると考えられています。動脈瘤はできる場所や形状が一人一人違います。動脈の壁の一部分が、お餅を焼いたときのようにプクーッと膨れている場合は、大きさにかかわらず破裂しやすいとされています。

 体への負担が少ない治療法もあります。心臓から少し離れた場所に動脈瘤がある場合は、脚の付け根の血管からカテーテルを挿入し、人工血管を内側から張り付ける胸部ステントグラフト内挿術が一般的で、胸を切開する必要はありません。

 心臓近くの大動脈が拡大している場合は、すぐそばの大動脈弁にも影響が出るため、胸を切開して人工血管に交換する手術が必要です。半年ごとに瘤の大きさを計測して、増大傾向にあるなら、5センチ以下でも手術を受けた方が良いでしょう。早い時期に、実績のある心臓外科医による適切な治療を受ければ、リスクはほとんどありません。

 動脈瘤が破裂するとほぼ即死です。破裂のリスクは持病や生活習慣によって違い、高血圧や出張が多い仕事なども影響します。おのおのの事情を考慮でき、「人間として信頼できる」と思える医師を見つけて相談してください。(昭和大医学部血管心臓外科教授・心臓外科医・南淵明宏さん)

南淵明宏さん南淵明宏さん

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