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理学療法士の卵育てる 中部学院大 鵜飼建志さん

医人伝

(2017年2月7日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

中部学院大(岐阜県関市) 看護リハビリテーション学部准教授 鵜飼建志さん(49) 

画像理学療法士を目指す学生を後押しする部活動を立ち上げた鵜飼建志さん

 障害やけがのリハビリを受け持つ理学療法士を目指す学生が、互いに知識を教え合う部活動「CAST(キャスト)」を2008年に立ち上げた。学部の講義で後進を指導する傍ら、部員100人を見守っている。

 活動は週に二度開く90分の勉強会が中心。2人1組になった学生が「テーピング」「(野球の)投球障害」などのテーマで調べた内容をスライドで発表し、知識を共有する。学生同士の討議や、互いの体を使ってケアの実践練習もする。

 学内に全国レベルの運動系部活動が多いこともCASTの追い風になっている。スポーツトレーナーを志す部員には、硬式野球部や女子バレーボール部の練習に出向かせ、選手のストレッチやアイシングなどの簡単な施術を体験させる。「関節の構造や機能を知り尽くし、丁寧に痛みを評価して治していくことが大切なんです」

 部の創立には自身の体験が影響した。名古屋市出身で、高校の柔道部時代にけがをしたことから理学療法士を志した。旧国立療養所東名古屋病院付属リハビリテーション学院理学療法学科に入学。当時は「日常生活を送れる程度に患者を治せばいい」という認識が一般的で、スポーツの激しい動きができるまで回復させるケアは想定されていなかった。

 そのため、学生時代に東京のスポーツ診療所に飛び込みで見学を頼み込んだり、卒業して名古屋市内の病院に勤める傍ら専門の研修を受けたりと、必要な知識を得ようと自ら動いた。だから「今の大学では、学生に一番良い環境で学んでもらいたい」と情熱を傾ける。

 病院勤務後は、プロ野球中日ドラゴンズのチームスタッフとしても4年間働いた。理学療法士としてプロ球団に入ったのは全国で2例目。主に2軍に同行し、選手の故障状態をチェックしたり、けがを未然に防ぐ体の動かし方を教えたりした。「2軍の選手はけがの相談をしてこないんですよ。故障が知られると首にされるんじゃないかって」と苦笑する。

 「学生に教えている間、僕は患者に施術ができない。その時間を割いてでも、教えた学生に高いレベルの施術を身に付けてほしい」。研究室内にはたくさんのキャラクターグッズなど学生からの贈り物が並ぶ。それが、学生からの信頼の厚さを物語る。(大野雄一郎)

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