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肝臓がん原因遺伝子特定

(2017年2月7日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

名市大 C型肝炎患者、予防に光

 C型肝炎患者が肝臓がんを発症する際の原因とみられる遺伝子変異を、名古屋市立大大学院医学研究科の田中靖人教授(ウイルス学)らの研究グループが初めて特定した。肝臓がんになりやすい患者を見分け、早期の発見・治療が期待される。成果は米科学誌「ガストロエンテロロジー」電子版に掲載された。

 C型肝炎患者は国内に150万~200万人いるとされる。薬剤などでウイルスを除去した後でも他の症状を引き起こすことが多く、治療後5年以内に8.8%が肝臓がんを発症するとの報告もある。

 グループは全国47の研究機関や大学病院と協力し、C型肝炎患者943人分の全遺伝情報を解析。患者一人あたり平均60万カ所の遺伝子変異を比較した結果「トロイド様遺伝子1」(TLL1)と呼ばれる遺伝子内に変異がある患者は、肝臓がんの発症リスクが2.37倍高くなることが分かった。

 脂肪肝や肝硬変など他の症状の場合も、症状が重いほどこの遺伝子変異が活発化していることが判明。新たにラットと人でも、肝線維化が進むほどこの遺伝子変異が活発化していることも判明。TLL1変異の状況を調べることで精度の高いリスク診断ができる。

 肝臓がんを併発しやすいとされる糖尿病や、B型肝炎など他の病気でもこの変異が関係している可能性があり、今後、多くの病気で新たな治療法開発につながる可能性もあるという。田中教授は「C型肝炎と肝臓がんの関係が明確になれば、患者の予防への意識も大きく高まるのでは」と話している。

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