つなごう医療 中日メディカルサイト

中学生 がんを癒やす

(2017年2月9日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

愛知の3人「カフェ」設立

画像がん患者や家族たちの対話の場を開設する(左から)彦田栄和さん、中村航大さん、弓削響輔さん=名古屋市瑞穂区のみずほ在宅支援クリニックで

 患者として治療に取り組んでいたり、家族を支えていたりと、がんと向き合っている愛知県の中学生3人が「がん哲学外来メディカルカフェ」を開設する。同じ境遇の同年代にも、大人たちと同様に悩みを打ち明ける場が必要では、との思いから企画した。名古屋市瑞穂区の医療施設で11日に開催するのを皮切りに、3カ月に1度のペースで継続を目指す。 (安福晋一郎、写真も)

 準備を進めているのは、がんの治療を続けている愛知教育大付属名古屋中学校(名古屋市東区)2年の中村航大さん(14)と、同級生の彦田栄和(えいと)さん(14)=いずれも同市守山区、弓削(ゆげ)響輔さん(14)=愛知県春日井市=の3人。彦田さんと弓削さんは、いずれも母親が乳がんを患い、治療を続けている。

 中村さんは小学2年のときに脳腫瘍が見つかり、治療したが昨年春に再発が分かった。今は、残った左半身まひのリハビリのため入院している。再発時に初めてがん告知を受けた時のことを、「自分の状態は自然と受け入れられたが、治療で背が伸びなくなると言われて悩んだ」と振り返る。ただ、病院などで、同じ境遇でつらい治療を続ける同年代の子供も多く目にしてきた。

 そんな時、患者同士や医療現場の人たちが語り合うことで不安を解消する、「がん哲学外来」を全国に広めてきた順天堂大医学部の樋野興夫教授と会い、カフェの開設を提案された。「家族ががんでストレスを感じたり、治療に悩む自分みたいな子供が他にいるんじゃないか」。自身の経験が役立つと思い、決意した。

 彦田さんと弓削さんも母親ががんと知った当時、不安を感じたという。中村さんの提案に「一緒にやろう」と応じ、入院中の中村さんの代わりに告知のチラシ作りや参加者の募集を担った。彦田さんの母の加奈子さん(46)が働く瑞穂区の「みずほ在宅支援クリニック」が初回の会場を提供した。

 当日は樋野教授の講演を聞き、お茶を飲みながら自己紹介したり、トランプなどで遊んだりしながら交流を図る。樋野教授との個別相談もでき、事前予約を受け付けている。現在、いずれも大人だが20人の定員に近い応募があるという。

 がん哲学外来は現在、全国120カ所にあるが、樋野教授によると、これまで中学生が開いた例はない。

 弓削さんと彦田さんは「かしこまらず、気楽なおしゃべり感覚で来てほしい」と同年代の参加を期待する。中村さんも「僕はこんなに元気だ。そういう姿を見てもらい、勇気づけたい」と話している。

 問い合わせは中村さんのメール=kodai.n2002@outlook.jp=へ。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人