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肺非結核性抗酸菌症、治療は必要?

紙上診察室

(2017年2月14日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 肺非結核性抗酸菌症、治療は必要?

 住民健診で肺非結核性抗酸菌症と診断されました。治療は必要ですか? 日常生活の注意点は?(女性・62歳)

A 薬の副作用考慮し判断

 肺非結核性抗酸菌症は、水や土などの生活環境中にいる非結核性抗酸菌を空気と一緒に吸いこむことで、気管支や肺に起きる慢性の感染症です。2014年の日本の罹患(りかん)率は、07年の2.6倍に急増しています。

 この病気は結核と違って、人から人にうつりません。症状は微熱や寝汗、体のだるさ、体重減少のほか、せきや痰(たん)、血痰などが出ます。自覚症状がないまま、健診でエックス線を撮り初めて指摘されることもあります。

 病気の進行は非常にゆっくりで、5〜10年以上かけて少しずつ広がるのが普通ですが、まれに1、2年で悪化することもあります。症状が軽く、経過もゆっくりなこともあり、すべての人が診断後すぐに治療が必要なわけではありません。

 すぐに治療すべきなのは、病変の範囲が広い、痰の中に菌が多い、血痰があるなどの場合です。逆に治療せず経過をみても良いのは、自覚症状がほとんどない場合や、年齢が75歳以上の場合などがあります。

 標準治療として3種類の薬を半年から2年程度飲むため、食欲低下などの副作用が比較的多くみられます。病変が限られていれば手術で取る方法もあります。病気の状態や副作用とのバランスを考えて、治療をするかどうかを決めます。

 日常生活で気を付けることは、環境から抗酸菌を吸入しないように、シャワーヘッドの清掃や噴出口を霧状のものにしないことや、土ほこりを吸わないことなどが挙げられます。(藤枝市立総合病院呼吸器内科)

画像小清水直樹さん

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