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喫煙の害を地域に説く 加藤医院 加藤一晴さん

医人伝

(2017年2月21日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

加藤医院(浜松市西区) 院長 加藤一晴さん(57)   

画像「喫煙」を禁じる息神社の看板を指し示す加藤一晴さん

 内科医院を開業し、主に糖尿病の治療や禁煙の指導に取り組む。禁煙外来では1200人を診てきた。2010年度からは、静岡県内の医師や薬剤師などでつくる「こどもをタバコから守る会」の代表を務める。

 たばこを吸い続けると肺がんや慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)、心筋梗塞などを引き起こしやすくなる。そうした危険や受動喫煙について周知し、地域社会の禁煙化に力を入れる。

 その成果の一つが、医院近くにある息(おき)神社の大祭。山車が繰り出し、露店が並ぶ地域の代表的な祭りだ。以前は祭りが終わると、辺りはポイ捨てされた吸い殻だらけになっていた。そこで、自治会に働きかけ、2005年から禁煙化に取り組み、08年に境内と周辺道路を完全禁煙とした。今は地域をはじめ、祭りに関わる人全てが協力する。「受動喫煙の有害性を啓発する場になった。神社周辺がまさに聖域になった」と喜ぶ。「子どもを連れた参拝者が増えている」という声もあるという。

 「中学と高校の6年間でたばこに興味を持ち、吸い始める子が多い」と、母校でもある浜松市雄踏小学校では20年近く、毎年6年生を対象にたばこの害について講演している。子どもから保護者に禁煙を促してもらうことが狙いの一つ。親に喫煙の習慣があると、その子どもたちもたばこに興味を持ったり、受動喫煙になったりするからだ。

 13年5月に男子寮2棟が全焼し、男子生徒の遺体がみつかる火災が発生した愛知県新城市の黄柳野(つげの)高校にも08年から足を運ぶ。この火災の原因はたばことみられる。同校では07年にたばこの不始末が原因とみられるぼやが寮で発生し、その後、校内に喫煙場所が設けられていることが分かった。喫煙は治療法が確立されているのだから、学校は生徒を処分するのではなく禁煙をサポートするべきだと主張し、高校から講演依頼を受けたことがきっかけだった。

 かつては自分も1日20本を吸っていた。子どもが生まれ、医師がたばこを吸っていてはいけないと考え、34歳でやめた。

 祖父、父も医師。愛知医科大を卒業後、総合病院勤務を経て1999年に父から医院を引き継いだ。「喫煙が関係する病気は予防できるのだから、リスクをゼロにしたい。遅すぎる禁煙はない」と話す。 (渡辺聖子)

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