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禁煙違反者に過料30万円 受動喫煙対策案 飲食店側にも罰則

(2017年3月2日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
起動喫煙防止の厚労省案

 厚生労働省は1日、東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙防止の強化策として、飲食店を禁煙とし、違反した悪質な喫煙者には30万円以下の過料を科すとした案を公表した。飲食店などの施設管理者には、喫煙の禁止場所を掲示する義務を課し、違反した管理者は50万円以下の過料とする。

 健康増進法改正案に盛り込み、今国会への提出を目指しているが、たばこ産業や飲食業界の危機感を背景に自民党などから反対の声が上がっており調整は難航が予想される。

 厚労省案は、全国の居酒屋や焼き鳥屋などを含む飲食店は、たばこを吸うためだけの喫煙室の設置を認めた上で禁煙とする。食堂やラーメン店も同様に禁煙とし、家族連れや訪日観光客の利用に配慮する。

 禁止場所で喫煙する人には、まず施設管理者が制止した上で悪質な場合に自治体職員が対応。指導や中止命令を出し、違反者に過料を科す。

 未成年が利用しないバーやスナックなどでは、小規模店を例外として喫煙を認める。小規模の目安は「大人数で入れない」広さの30平方メートル以下を想定している。

 学校や病院は敷地内禁煙、大学や官公庁は屋内禁煙で、喫煙室の設置は認めない。ただ、これらの施設にある既存の喫煙室については、検討した結果、一定の基準を満たせば5年間存続を認めることにした。

 飲食店のテラス席は屋外でも禁煙。旅館やホテル、老人福祉施設の個室、たばこが目的のシガーバーは喫煙を認める。

 電子たばこなどの煙が出ない新型たばこは、受動喫煙の影響が不明なため、規制の対象にするか検討を続ける。

 厚労省は2019年のラグビーワールドカップ日本大会までの施行を目指す。正林督章(しょうばやしとくあき)健康課長は「非喫煙者がたばこの煙を吸わないためのルール強化で、喫煙するなという法律ではない」と理解を求めた。

 受動喫煙 たばこの煙にはニコチンなどの有害な化学物質が含まれ、他人の煙を吸い込む受動喫煙でも肺がんや心筋梗塞、脳卒中、乳幼児突然死症候群などのリスクが高まる。受動喫煙の影響による国内の死者は年間1万5000人に上ると推計される。現行の健康増進法は、病院や官公庁施設、飲食店など人が集まる施設の管理者に受動喫煙防止の対策を取るよう求めているが、罰則のない努力義務にとどまる。世界保健機関と国際オリンピック委員会は「たばこのない五輪」を目指すことで合意している。

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