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増えている加齢黄斑変性

ステキな視生活

(2017年3月7日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

 囲碁が好きで、テレビや新聞の対局をよく見ます。2千年前の中国では、すでに庶民の娯楽でしたが、最近では人工知能による囲碁ソフトがプロ棋士に勝ち、情報技術の急激な進歩に驚いています。

 碁盤の格子は19の縦横の直線で構成されています。以前、担当した高齢の方から片目で見ると中心がゆがんでみえるといわれました。網膜の中心にある黄斑(おうはん)部が腫れる加齢黄斑変性でした。

 黄斑は物をはっきり見るため、常に焦点が結ばれていますが、老化とともに傷つきやすくなります。それを治そうと、新生(しんせい)血管が発生しますが、非常に弱く、出血や腫れが起こります。この状態を滲出(しんしゅつ)型といいますが、ゆがんで見えたのはまさにこの状態でした。

 加齢黄斑変性は、かつてはそれほど多い病気ではありませんでした。最近ではテレビやスマホなどの光の刺激も多いせいか、増加傾向で、日本では失明原因の第4位になっています。効果的な治療法はありませんが、血管内皮増殖因子の阻害薬が認可され、進行を遅くすることが可能になりました。

 まだ研究の段階ですが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、網膜の一部である色素上皮細胞を作り、傷んだ網膜へ移植する手術も行われています。将来的には、情報技術の進歩により、人工網膜の作製も夢ではありません。 (名古屋医療センター眼科医長・広瀬浩士)

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