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がん検診を当たり前に 聖隷浜松病院 吉田雅行さん

医人伝

(2017年3月14日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

聖隷浜松病院(浜松市中区) 乳腺科部長 吉田雅行さん(61)

画像がん検診の大切さを語る吉田雅行さん

 日本人女性の部位別がん発症率トップで、11人に1人がかかるとされる乳がん。早期発見が可能で、治療が早ければ治る可能性が高いのが特徴だ。仲間と団体を立ち上げ、定期的な検診の大切さを訴えている。「乳がんで亡くなる人を1人でも減らしたい」と力を込める。

 愛知県犬山市出身。小学4年生のときに祖母が目の前で脳出血で倒れ、献身的に治療してくれた医師の姿が印象に残っている。自分も人の役に立ちたいと、浜松市の浜松医科大へ。外科医となり、35歳で国立がんセンター乳腺外科の研修を受けたことが転機となった。

 乳がんの治療は、医師ががんの診断から手術、その後の検診やホルモン療法まですべてをこなす。診察では相手の話に耳を傾け、心情を聞き取ることに注力する。乳房を切除する戸惑いや再発への不安、仕事や家族、話は治療以外に多岐にわたる。「悩んで思い詰めてしまう人もいる。気持ちを吐き出して、少しでも笑顔で帰ってもらえるように努めている」

 乳がんは、自分で胸を触ってしこりで気付くことができる。1円玉大の直径2センチほどであれば初期段階で、手術をすれば多くが治るとされる。検診で乳房を挟んで診る「マンモグラフィー」も早期発見に有効だ。40歳以上は発症率が高くなる。「少なくとも検診は2年に1回、自分でも1カ月に1回は触って異常がないか確かめてほしい」と呼び掛ける。

 苦い経験もある。乳がんの手術後に定期的に通院して胸の検査をしていた女性患者だ。経過は順調だったが、その後に体調不良を訴えて胃がんだと分かった。「乳がん検診だけでは他のがんは分からない。内視鏡の胃がん検診を受けていれば、より早く発見できたかもしれない」。患者には折に触れて、乳がん以外のがん検診も勧めている。

 2013年、医師仲間とがん検診の受診を呼び掛けるNPO法人「いかまい検診浜松」を立ち上げ、理事長に就いた。年1回の音楽イベントを開いたり、浜松城をライトアップしたりして啓発に尽力。イベントにはイメージキャラクター「ケンシンジャー」が登場し、子どもにも呼び掛ける。「子どもが親に伝えたり、大人になってから検診に行くきっかけになるかもしれない。がん検診を受けるのが当たり前の世の中になればうれしい」と話した。 (河野紀子)

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