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10人死亡火災 院長不起訴

(2017年3月15日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

過失との関係 立証できず

 福岡市博多区の有床診療所「安部整形外科」で2013年10月、入院患者ら10人が死亡し5人が負傷した火災で、福岡地検は14日、防火管理を怠ったとして業務上過失致死傷容疑で書類送検された安部龍暢(たつのぶ)院長(49)を嫌疑不十分で不起訴とした。

 福岡地検の吉田誠治次席検事は「患者らの死亡に結びつく過失が一つも認められなかった」と処分理由を述べた。ストッパーを挟むなど防火扉を適切に管理しなかったとする容疑内容について、地検は煙の充満が速く、扉が正常に作動しても避難できず、医院側の過失と患者らの死亡との因果関係を立証できないと結論付けた。不起訴を受け、安部院長は「被害者のことを思い続け、死ぬまで地域医療にこの身をささげる」とのコメントを出した。

 火災は13年10月11日午前2時すぎ、1階処置室にあった医療器具の電源プラグから出火。建物内に煙が充満し、1、2階にいた患者8人と3階の居住部分にいた院長の両親の計10人が、いずれも一酸化炭素(CO)中毒で死亡した。

 出火原因は医療機器の電源プラグにほこりがたまりショートする「トラッキング現象」とみられ、同じような火災が過去に起きるなどの予兆がなかったことから、地検は出火への過失責任も問えないと判断した。

 院長の弁護人によると、既に複数の遺族と示談が成立。診療所は15年5月に場所を変えて再開した。

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