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視覚の働きに文化影響? 京大など研究 日本人とカナダ人 図形識別に差

(2017年3月26日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
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 京都大の上田祥行(よしゆき)特定助教(認知科学)らとカナダなどの国際研究グループは、図形の相違点を瞬間的に見分ける視覚の働きが、日本人とカナダ人で異なることを突き止めた。視覚の基礎的な働きはこれまで「文化圏が違っても変わらない」と考えられてきたが、実際には文化の差が影響している可能性がある。25日付の米科学誌に発表した。

 上田助教らは、短い線が並ぶ中から一本の長い線を見つける実験(図<1>)と、長い線が並ぶ中から一本の短い線を見つける実験(<2>)などを、同数の日本人、カナダ人を対象に実施した。

 カナダ人では、短い線の中から一本の長い線を見つける方が、その逆より時間が短かったのに対し、日本人ではどちらの実験でも、見つけるまでの時間はあまり変わらなかった。長短の識別については日本人の方が慣れている可能性が示されたことになる。

 一方、垂直の線が並ぶ中から一本の斜線を見つける実験(<3>)と、斜線が並ぶ中から一本の垂直の線を見つける実験(<4>)も実施。<3>では、日本人、カナダ人ともにほぼ差は無かったが、<4>ではカナダ人の方が日本人より早かった。

 研究グループは、「土」と「士」のように、漢字には部分的な長短で字の意味が変わるものがあると指摘。一方、アルファベットは「u」と「v」、「H」と「N」のように角度で識別する字があることから「文字体系をはじめとする文化の違いが脳に蓄積され、知覚に差をもたらしている可能性がある」(上田助教)としている。

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