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スムーズな復職へ導く 仕事と治療の両立支援ネット ブリッジ 服部文さん

医人伝

(2017年3月28日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

仕事と治療の両立支援ネットブリッジ(名古屋市千種区) 代表 服部文さん(46)

画像「病気の治療と仕事の両立を後押ししたい」と話す服部文さん

 働き盛りのときにがんと告知され、やむなく退職する人が後を絶たない。そんな人たちが仕事を続けられるよう、治療と仕事の両立を後押ししている。夫が経営する内科クリニックを事務長として支えながら、キャリアコンサルタントの国家資格を取得。がんにも詳しい。「働く世代の6人に1人ががんになる時代。適切な配慮があれば、働き続けることができると伝えたい」と話す。

 名古屋市出身。中学校の入学直前、4歳上の兄を交通事故で亡くした。「人生はいつ何が起こるか分からないと実感した。命について考え、人がより良く人生を生きる手助けがしたいと思うようになった」。2013年に仲間と「仕事と治療の両立支援ネット ブリッジ」を設立。がん患者を中心に、多くの人の相談に乗っている。

 がん治療は進歩している一方、「死の病気」との思い込みも根強い。「もう働けない」と思い悩んでしまったり、職場の無理解で退職に追い込まれたりするケースも。相手の話に耳を傾け、不安に感じていることやどのように働きたいのか、率直な思いを引き出す。月1回、患者同士が思いを語り合う場も設ける。「がんになった自分を受け入れられない人が多い。気持ちを打ち明けることで、前向きに仕事や人生を考えられるようになる」と効果を話す。

 例えば40代の男性は、がん治療を終え、復職できるまで回復したが、以前のように外回りの営業ができるか体力に自信が持てず退職も考えていた。カウンセリングを通して、仕事への思いを再確認。会社に働きかけ、これまでの経験を生かせる部署に異動して働き続けている。

 企業側の理解も深めるためにセミナーを開き、治療との両立のために必要な支援を呼び掛ける。「働きたい人が働ける環境づくりが重要。育て上げた人材が辞めることなく、働き続けることが会社にとっても利益になる」と力を込める。

 これまで関わった患者は100人以上。ただ、がんと告知されてすぐに仕事を辞めたり、復職後に職場の人間関係が悪化したりして退職した後に相談に来るケースが多い。「退職する前に、どうしたらいいかを一緒に考えたい。今後は病院と協力して治療中から患者さんと関わり、復職までスムーズに支援できるようにしていきたい」と抱負を語った。(河野紀子)

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