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突然死のリスクを予測 名市大・早野教授 心疾患で解析法

(2017年3月28日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する
画像早野教授(右)が開発した心拍変動を解析できるシステムの一部=名古屋市瑞穂区の名市大病院で

 心筋梗塞などの患者が眠っている際に心拍の間隔変動を解析することで、心不全による突然死のリスクを予測できるシステムを、名古屋市立大大学院医学研究科の早野順一郎教授(61)が開発した。すでに心電図の解析ソフトウエアに活用され、医療現場で使えるという。

 早野教授によると、心筋梗塞などの患者は、気付かないうちに睡眠時無呼吸症候群(SAS)を併発することが多い。SASは25秒から125秒の周期で無呼吸発作が起きるとされ、息が止まった苦しさで目が覚めることもある。無呼吸の時間が長くなると、酸素が十分臓器に行き届かなくなり合併症などで死亡リスクが高まる。早期発見で治療すれば、そのリスクを下げることができる。

 心拍の間隔は、安静時でも心身の状態によって微妙に変動。心電図で生理的変動として測定され、心理的ストレスや病気、無呼吸障害があると減る。

 これらのメカニズムを応用し、夜間の睡眠中の心拍変動を自動計測できる手法を開発。急性心筋梗塞や慢性心不全などの患者約1300人分の睡眠時の心電図を比較解析した。

 その結果、心電図で検出される心拍変動の振幅が小さいと、睡眠呼吸障害がある可能性が高まり、死亡リスクも高いことが分かった。振幅の減少は、心臓自律神経機能障害がある影響だという。

 早野教授は「具体的な症状がなくても、心拍変動を計測できれば睡眠呼吸障害の有無が分かり、早期治療につながる」と話す。

 医療機器製造・販売のスズケン(名古屋市)がこのシステムを取り入れて、小型心電計を携帯して日常生活の中で心拍変動を計測、解析できるソフトウエアを開発した。(室木泰彦)

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