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睡眠薬手放せず、副作用心配

紙上診察室

(2017年3月28日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 睡眠薬手放せず、副作用心配

 20数年前から不眠症で、睡眠薬なしには眠れません。薬の副作用が心配です。不眠症は治らないのでしょうか。(男性・82歳)

A 治療目標立て、減薬検討

 不眠症とは寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝早く目が覚める、十分眠れた感じがないというだけでなく、日中の気分がすぐれず疲労感や集中力の低下なども伴うため、日常生活に支障をきたす状態です。原因としては、寝室の温度や湿度などの環境や生活リズムの変化、かゆみや呼吸困難などの身体疾患、アルコールやカフェインなどの影響、悩み事など心理的ストレスの影響、うつ病や不安障害などの精神疾患があります。

 まずは日中に適度の運動をする、寝る前にカフェインを含む飲み物を取らない、寝る前に水分を取りすぎない、昼間の悩み事を寝床に持ち込まない、昼寝をしすぎないなどの方法を検討します。年齢を増すほど睡眠時間は短く、途中で目が覚めやすくなります。それでも不眠が解決しなければ、薬物療法を考えます。認知行動療法を併用することもあります。精神疾患による不眠は、背景にある病気の治療を優先します。

 薬物療法では、比較的副作用の少ないメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗(きっこう)薬をまず選択します。改善しなければ、副作用として起こることがあるふらつきや転倒などに気をつけて、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を使います。依存性があることも説明します。薬物療法は漫然と行うのでなく、治療目標を達成したら、慎重に減薬を検討します。日中の生活の質を改善するため、主治医とよく相談することが大切です。(名古屋市立大病院精神科・東英樹さん)

画像東英樹さん

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