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涙止まらなくなる涙嚢炎

ステキな視生活

(2017年3月28日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

 3月は卒業式などで、別れを意識する季節。涙を流す場面も少なくありません。1年間、目をテーマにしてきたコラムも、今回で最終回。私も涙を抑えつつ、専門分野の一つ、涙が多くなる病気の治療を取り上げたいと思います。

 涙は主に、上まぶたの眼球近くにある涙腺(るいせん)でつくられます。常に目の表面に潤いを与え、目頭にある涙点(るいてん)から通り道である涙道(るいどう)をへて、鼻の奥に流れています。

 目頭近くの涙道には涙嚢(るいのう)があり、涙を排出するための大切な場所です。さまざまな原因で炎症が起きると詰まり、涙があふれます。細菌感染などによりうみがたまる涙嚢炎になることもあります。

 抗生剤による薬物治療をしますが、詰まりを治す治療も必要です。詰まった場所を開放する方法と、涙嚢と鼻腔(びくう)とを結ぶバイパスを作る涙嚢鼻腔吻合(ふんごう)があります。バイパスは成功率が高く、この方法が採用されることが多いです。

 眼科の病気の治療は、薬による内科的治療と手術による外科的治療に大別されます。治療方針を決めるには、利点や欠点、治療成績を理解することが大切です。かかり付け医に聞き、詳しいことは専門医に相談してください。

 長きにわたり、読んでいただき、心より感謝しています。少しでも目の病気への理解が深まれば、この上なくうれしく思います。(名古屋医療センター眼科医長・広瀬浩士)

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