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離乳食に蜂蜜 6カ月男児死亡 乳児ボツリヌス症 

(2017年4月8日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 東京都は7日、離乳食として蜂蜜を摂取したことが原因で乳児ボツリヌス症になったとみられる足立区の生後6カ月の男児が死亡したと発表した。都によると、統計で確認できた1986年以降、乳児ボツリヌス症での死亡例は全国で初めて。

 乳児ボツリヌス症は1歳未満の乳児がかかる。都は7日、1歳未満児には蜂蜜を与えないよう改めて呼び掛けた。

 都によると、男児は2月16日からせきなどを発症し、20日にけいれんと呼吸不全で救急搬送された。28日に乳児ボツリヌス症と診断され、3月30日に死亡した。

 発症の1カ月前から、家族が離乳食として1日2回ほど、計約10グラムの蜂蜜をジュースに混ぜて飲ませていた。家族は、乳児に蜂蜜を与えてはいけないと知らなかったと話しているという。

 検査の結果、乳児の便と保管していた開封済みの蜂蜜からボツリヌス菌を検出。保健所は蜂蜜が原因とみられる食中毒と断定した。

 都によると、国内では86年以降、30例以上の発症例が報告されている。

赤ちゃんに与えないで

 乳児ボツリヌス症は、口から体内に入ったボツリヌス菌が腸管内で増え、毒素を作ることで便秘や脱力、呼吸困難などを引き起こす感染症。原因食品の大半は蜂蜜で、専門家は改めて赤ちゃんに蜂蜜を食べさせないよう注意を呼び掛けている。

 発症すると、大半が便秘となり、表情が乏しく、泣き声が小さくなる。全身の筋力が低下し、首が据わらなくなったり、座っていられなくなったりして、重い場合、呼吸困難になることもある。

 大人のボツリヌス菌食中毒では血清を用いた治療が行われることがあるが、副作用の懸念や、乳児ボツリヌス症の致死率が1〜3%と低いため、乳児にはほとんど使われない。人工呼吸器で呼吸を管理しながら菌が体から排出されるのを待つのが基本的な対処法だ。

 感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「神経症状が主で、気付くのが遅れることもある。対症療法で時間をかけて治すことがほとんどだ。今までできたことができなくなった場合には、神経の病気、感染症もあるので注意が必要だ」と指摘。過去には野菜スープや井戸水が原因となった例もあり、赤ちゃんの食べ物について注意を呼び掛けている。

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